パリの春は、マカロン色、そしてピンクの香りがする。


この「プチ・パリジェンヌ」のドレスは、


私がビスクドール販売の展示会用に作ったものです。

テーマーは、「春の日差しの中を散歩する姉妹と白いプードル

この時選んだ色が、オレンジがかかったピンクのドレスでした。

日傘と白いプードルも一緒に作って、良き時代のパリを表したものです。

 

今回、カミーユは、『晴天の訪れ』と題して、


バスティーユ近くのアルスナル港に来ています。

4月にしては、とっても暖かな、つかの間の初夏のような晴れやかな日を、


全身で味わっている感じです。

それはハートのサングラスにも表れています。

そして、ローラースケートを楽しむ人々や、船の上で食事をとり、


ダンスを始める若者。

春の訪れは、人々の心を上機嫌にしてくれ、


何かを始めたい気持ちにしてくれるようです。


 

Avec l’arrivée des beaux jours,

ce qui est sympa,c’est de faire du roller.

(晴天の訪れとともに気持ちの良いことは、ローラースケートをすることです。)

 

Arrivéeの主語は、les beaux jours(晴天の日)

ce qui est sympa・・・気持ちの良いことは

c’est de faire du roller.・・・それはスケートをすることです。


 

アルスナル港は、バスティーユにあるマリーナで、ヴィレットまでの4.55kmを、


セーヌ河とサン・マルタン運河をつないでいます。

セーヌ河にもある観光用の船は、ここサン・マルタン運河にもあります。

この日は、船に乗って観光される人々も、


心なしかウキウキと心も弾んでいるようです。

カミーユは、そんな船の上の人々を見ながら、

口をついて出た言葉は、「私の誕生日に船を買ってくれる?」

さすがのアントワーヌも、これには「う~ん・・・・」


と言葉が出なかったようです。

そんな冗談も飛び出すほど、カミーユもハイテンションになっていました。



 

Tu m'en achètes un pour mon anniversaire ?

(私の誕生日にそれを買ってくれる?)

この文の前に出てくる、「船が欲しくなるわ」という言葉を受けている


en・・・特殊代名詞(deun bateau

pour mon anniversaire・・・私の誕生日のために

 

 

 

Là, ils sont partis pour une bonne promenade.

(今、クルージングの船が出発したわ)


・・・ほら、今

ils sont partis・・・往来発着の動詞の場合は、複合過去になる時は、être動詞を使う。

          主語が複数なので、時制の一致が起き、sがつく。

pour une bonne promenade.・・・素敵な散歩の為に(出発した)


 

運河沿いに咲く花々は、なぜかピンクが多く、やっぱり春はピンクの香りがするようですね。



 

そんなピンクのエピソードは、歴史の中でも何回となく繰り広げられてきました。

ピンクの色に自分の名前がついてしまっている人達が何人もいます。

その代表格なのが、「ポンパドールピンク」の名前を持つポンパドール夫人

ポンパドール夫人は、普通の市民から、王の公妾にまで登りつめた女性だけど、

最初、ルイ15世にみそめられるために、


色の効果」を巧みに使ったエピソードがあります。

詳しくは、《フランスの色彩エピソード》をご覧ください。



 

そして誰もが知っているマリー・アントワネットも、


彼女のピンクを持っています。


 


《映画マリー・アントワネットに見る色彩》の中に詳しく書きましたので、


そちらもご覧下さい。

映画の中を彩っていたマカロン色(パステルカラー)のドレスや、靴、小物たちは、

どれも美味しそうな色のオンパレードでしたね。

この時代のパステルカラー、特にピンクの存在が、


フランスを代表する色のように思えてきます。

 



1900年代に入ると、オートクチュールをリードしたイタリアのデザイナー、


エルザ・スキャパレリの名前がつけられた「ローズ・スキャパレリ

これは、彼女のトレードマークとなったショッキング・ピンクの別名です。





 




 

 

 
 

そして、1981年にイヴサンローランが発表したイブニング・ジャケットに使った


ピンク色に由来してつけられた「ローズ・サンローラン

このピンクは今でもブランドのイメージカラーとなっています。




 

 


多くの女性や、デザイナーに愛されてきたピンク。

癒しや、愛する心を表すピンクは、フランスだけではなく、


多くの女性に愛されてきた色であると思うけど、

やっぱり、マカロンを代表とするパステルカラーの中でも、


ピンクの存在はパリのイメージと繋がってしまうのは、私だけでしょうか?




 

最初の、私がパリジェンヌをイメージして作ったビスクドールドレスは、


そんな思いを一杯に詰め込んだ作品
でした

 

 




関連記事

《フランスの色彩エピソード》
《映画マリー・アントワネットに見る色彩》