本を片手に、どこまでも。 -1187ページ目

Phnom Penh Library Update June 17, 1999 (Thu)

今日はまだワークショップの最中という事でオフィスにはチャトラーと鎌倉しかいませんでした。なんか静かなオフィスでした。ワークショップに行っているチームは明日戻ってくる予定です。



1)嵐の中のチャトラー

チャトラーが印刷所に絵本増版のための見積もりをもらいに行きました。チャトラーがオフィスを出てしばらくすると、雨が降り出しました。そのうち雨はだんだんだんだん激しくなり、最後は嵐になりました。建築中の隣の家で働いている人達が「おおおおおわわわわわ」と叫んでいます。オフィスの向かいの椰子の木の葉が大きく揺れています。風が窓を叩きつけるように吹いています。「チャトラーは大丈夫だろうか。」と心配になりました。するとチャトラーが戻ってきました。頭も服も雨にぬれています。でも「これ、絵本の見積もり。」といって差し出した見積書は水一滴もかかっていませんでした。ありがとうチャトラー。



2)フンランさんの通信簿

カンポットからの帰り道、フンランさんにニロード図書館に来た新しい図書館員の人のことについて聞きました。フンランおばさんは「彼女は頭がいいので、折り紙の覚えも早いわ。」といっていました。しかしフンランさんのトレーニングは厳しく「私は彼女に私が使っていた折り紙の本を渡して、とりあえず自分で折ってみるように言っています。そうして分からないところがあったら、私に言ってくれと言っています。彼女はちゃんと自分で折り紙を研究して、分からないところを聞いてきてくれます。一回アドバイスをしたら次には出来るようになっていますよ。器用な子です。」と絶賛していました、「彼女には二人弟がいて、二人ともそりゃあ背が高いのよ。」とプライベートでも仲の良い先生と生徒です。



3)ブォン

図書館事業課にブォンというドライバーがいます。1995年からJSRCで働いています。スヴァイリエン、バッタンバン、プーサット、カンポットと図書館事業のワークショップや移動図書館のときはいつもドライバーとしてついて来てくれます。このブォン、ドライバーとしてだけではなく図書館事業課の職員のような働きをしてくれます。カンポットでのワークショップのときも、スタッフの忘れ物を取りに行かされたり、写真を撮ったり、絵本の積み下ろしをしたりとスタッフと同じ仕事をしてくれます。カンポットの帰りも「ここはよく通った道だ。夜8時とか9時とかに運転してたよ。でも仕事は好きだから、何時に運転を頼まれようが大丈夫。」といっていました。また「でも、去年結婚したからあまり遅くなるのは・・・。」と一言。今年の8月にはお父さんになるブォン。「子どもが出来たら、おはなしでもしよかな。」と言っていました。

Phnom Penh Library Update June 14, 1999 (Mon)

1)今日からワークショップ先へ

  今日からカンポット州のワークショップに行っています。今回は折り紙の実践のためにフンランおばさんも参加するという豪華版のワークショップ。教育省長官のヌー・モット氏や教育省教員養成学校の職員であるチャン・トーイ氏も参加します。ワークショップチームは今日プノンペンを出発し、明日から三日間のワークショップをします。そうして金曜日に戻ってきます。



2)声の主

  昨日(13日)午後二時ごろ、「さーち-。さーち。」という声が外から聞こえてきました。「なんだ!?」と思い外に出てみると、とうもろこしを持ったチャントンが立っていました。とうもろこしは、ちゃんとゆでてありました。「ちょっと、今からワークショップの準備をするから、オフィスのドアを開けてくれる?」とチャントン。そのうちポリーも登場。「日曜日なのに、準備をするの?」といったら、「明日慌てたくないから。」と一言。

  そういえばおとといの土曜日はソポンがワークショップ用の書類と絵本を届ける運動のための絵本の訳を打ってました。みんながんばってます。

  とうもろこしは総務の内藤さんといただきました。おいしかったです。来週になるとチャントンの畑のとうもろこしの収穫時期になるそうです。「図書館のみんなでとうもろこしパーティーをしよう。」とチャントンが言っていました。



3)日本のハチとカンボジアのハチはコミュニケーションがとれるのか

  先週の金曜日ソポンが「ぶんぶんぶるるん」の訳をタイプ打ちしていました。印刷が終わった後、それを見せてくれたのですが、ハチの飛ぶ音「ブンブン」が、「ブズブズ」になっているのです。どうやらカンボジアのハチは「ブズブズ」という音をたてて飛ぶらしい。「日本のハチはブンブンという音をたてて飛ぶんだよ。」といったら、横のコンピューターでタイプを打っていたチャトラーが「ブンブンは爆弾が落ちてくる音だ。」と言いました。「これじゃあ日本のハチがカンボジアに飛んできたら、その羽音を聞いたカンボジアのハチは驚いて逃げちゃうよ。」とソポン。「じゃあ私がクメール語を勉強しているように、日本のハチもカンボジアに来る前にブズブズといって飛べるようにしないとね。」といってみんなで笑っていました。

  ちなみにカンボジアのカエルは「ウォップ ウォップ」と言います。「ゲロゲロゲロ」ではありません。

Phnom Penh Library Update June 11, 1999 (Fri)

図書館のインストラクターであるソヴァンさんが、今ベトナムの病院で検査を受けています。ソヴァンさんの奥さんが病気で、その治療のためにベトナムの病院へ行っていたソヴァンさんですが、ソヴァンさん自身も検査したところ問題が見つかったそうです。大したことがなけれがいいのですが。図書館スタッフ一同心配しています。来週にはプノンペンに帰ってくる予定です。

  

1)チャンリア・スマイさんがオフィスに来る

  ニロード図書館の新しい図書館員である、チャンリア・スマイさんが今日始めてオフィスにきました。チャンリア・スマイさんは先月の終わりからニロード図書館で図書館員として働いています。ここで働く前は政府の公務員だったチャンリアさん。「今は子どもと一緒にいる仕事だけど、この仕事はどうですか。」と聞いたら、「子どもといるのが好きだから、この仕事は楽しんでいるわ。今は折り紙をフンランさんから習っています。おはなしも子ども達にしているわ。」といっていました。今日はオフィスに来るのが初めてなので緊張気味でした。

  ニロード図書館にはもう一人図書館がくる予定ですが、まだ決まっていません。(選出は郡教育局がしています。)早く決まって欲しいです。



2)カンポット州でのワークショップ

  カンポット州は今年から図書館事業課の対象地域になった州です。そのカンポットで第一回目のワークショップが開催されます。とはいえカンポットは二年前からJSRCにワークショップの開催を依頼してきていました。チャントン曰く「カンポット州教育局は物をくれとは言わない。いつも図書館活動を行う技術を伝えて欲しい、と要請してきている。」といっていました。以下はワークショップのプログラムの翻訳です。ワークショップの参加者は83名の予定です。



図書館活動とおはなしに関するワークショップ

1999年6月15日、16日、17日



6月14日(月)

7:00 JSRCスタッフカンポットへ出発

会場の準備



6月15日(火)

7:00~7:30 参加者到着

7:30~7:45 特別参加者到着

7:45~8:30 開会の言葉(教育省長官ヌー・モット氏)

開会の言葉(JSRC鎌倉)

8:30~9:30 「おはなしを通じた教育」(教員養成局職員 チャン・トーイ氏)

9:30~9:45 休憩

9:45~10:15 おはなしと子どもの心理

10:15~11:15 おはなしの効果



14:00~15:30 図書館の効果

1) 図書館で何が行われているか。

2) 図書館の役割と用意の仕方

15:30~15:45 休憩

15:45~17:00 クラフトを通した教材作り



6月16日(水)

8:00~9:30 おはなしの技術

9:30~9:45 休憩

9:45~11:00 質の高い絵本とは



14:00~15:30 謄写版の使い方

15:30~15:45 休憩

15:45~17:00 謄写版の実演



6月17日(木)

8:00~9:00 参加者によるおはなしの実演

9:00~9:45 参加者からの意見

9:45~10:00 休憩

10:00~11:20 小グループで話し合い



14:00~15:00 各グループの発表

15:00~16:00 絵本の配布

閉会の言葉



3) ワークショップでのスピーチ

  鎌倉はワークショップの初日にスピーチをします。一応10分間もらっています。日本語のスピーチもそうですが、カンボジアのスピーチには決まった言い回しがあります。特にスピーチの出だしは「尊敬するOO氏(人の名前が入る)、尊敬する淑女紳士の皆様(レディース アンド ジェントルマンの様)。今日はワークショップに参加くださりありがとうございます。」という様に始めなければいけないみたいです。

  最初スピーチの原案を考えているとき「チョムリァプ スゥオ(こんにちは)」から始めようとしたら、チャトラーに止められました。「それはいけない」と注意もされました。ソポンは私のスピーチをタイプ打ちしてくれました。(それもフォントを大きく打ってくれました。)明日はスピーチの練習があります。みんな「まあ、今回下手でも、また機会はあるから。ワークショップは何回もあるし。」と励まして(?)もらっています。