患者は20歳代、男性。
依頼内容は矯正治療後の保定装置の製作。
矯正治療専門医より、拡大装置による矯正治療後の保定装置製作の依頼を受けた。
本来今回の症例のようなリテーナーはレジン床タイプで製作されるのだが、屈強な20歳男性で咬合力も強く、欠損部位も存在するために、薄く強度のある金属床タイプでの治療を担当医は計画した。
担当医はその旨を患者に説明し、同意を得た。
後日担当医より、本症例の指示書(図1)、上顎作業用模型(図2)、下顎対合歯模型、およびバイトが届けられた。
(図1)
(図2)
担当技工士は上顎作業用模型、下顎対合歯模型を咬合器に付着した。
担当技工士は対合歯との咬合関係をチェックし、鉤歯の設定が可能な部位にクラスプを設計し、維持力に不安のある部位は延長鉤として対処する設計とした。
担当技工士は金属床部分を製作した(図3、4)。
(図3)
(図4)
担当技工士は⎿2の排列および重合を行い、その後研磨を行い上顎金属床タイプの保定装置を完成した(図5〜7)。
(図5)
(図6)
(図7)
当日、担当医より担当技工士に直接電話があり「薄くて、軽くて、あまりの適合の良さにビックリしました。」と仰っていたそうです。
担当技工士 渡辺晋平