わが国の歯科医療費の50年間の推移

平成4年からグラフは折れ曲がり、平成8年から横這いとなっている。

 

では、保険採用歯科用12%金パラジウム合金の買い取り価格の推移を見てみよう。

歯科用12%金パラジウム製品の買取相場推移表

平成8年(1996年)当時。

 

2020年2月21日の価格

 

 平成8年からの歯科医療費の総額がほぼ横ばいにもかかわらず、歯科用12%金銀パラジウム合金の価格はなんと当時に比べて12倍近くに高騰している。

 そして歯科用12%金銀パラジウム合金の平成27年度の生産量はなんと 766.21億円で医療器具生産金額の第3位である。厚労省医療機器小分類別生産金額

 平成27年度歯科医療費総額で28,000億円で、その2.7%に相当する760億円が歯科用12%金銀パラジウム合金が生産されていた。

 

 1961年に国民皆保険が施行されたさいに、金合金は高価であるため、歯科用20%金銀パラジウム合金が導入され。その後金の価格が高騰したさい、歯科用12%金銀パラジウム合金に変更されたが、長きにわたりこの金属に代わる保険適用可能な合金が模索されてきた。

 

 

(加藤の一言)
 
日補綴会誌  Ann Jpn Prosthodont Soc 10 : 209-215, 2018

デジタルデンティストリーにおけるマテリアル選択 - 日本補綴歯科学会
伴清治 著

(抜粋)ジルコニアには低温劣化という現象がある.しかし,口腔内環境で影響するような劣化はないと判断されている5).また,上述したように,同じ条件で劣化試験を行うと他のレジン系やガラスセラミックス系の方がきわめて劣化が激しい.以上のことより,CAD/CAMマテリアルの中で,ジルコニアは最も化学的耐久性が高いと判断できる.
研磨したジルコニアはCAD/CAMマテリアル中で最も対合歯の摩耗が少ないと判断している.(引用ここまで)

 

 上記の論文にもあるように、ジルコニアは合金ではないが、12%金銀パラジウム合金に変わることのできる材料であると考えられ、そして安価で価格変動がなく、保険材料としては最適であろう。

 また現在ではCAD/CAMや口腔内スキャナーの発達は著しく、その上歯科技工士の減少問題もある。だからインレー、アンレー、クラウン、ブリッジの補綴症例は、口腔内スキャナーで印象データを取得し、歯科技工所にそのデーターを送信し、歯科技工所はそのデーターから、CAD/CAMデーターを作成し、ジルコニアの補綴物を完成し歯科医院に納品するというのはどうなのだろうか。さすがにもうレジンを加工する時代でもないような気がする。

 

 日本の保険歯冠補綴制度の抜本的改革の時が到来しているように感じているが、是非そのときには、それらの対価を補完する歯科技工改革も同時になされることを願うものである。

 

(今までも、これからも、抜本的改革などというものは起きないのでしょうね・・・・)