↑前回のお話。
『わかりました。少々、お待ちください』
と初老の警備員は
帽子のつばを軽く摘み、お辞儀をした。
「間に合わない……な……」
助手席に座る男は
カーナビに小さく映るデジタル時計を見て
ひどく落ち込む。
初老の警備員がこちらへ
小走りで来る。
『すみません、もう一度確認したいことがあります。グリーンピックさんにはどのような件
でいかれるのでしょうか。』
「お祝いです。」
『わかりました。』
また、初老の警備員は小走りで
仲間がいる警備員に何か話している姿が見えた。
「会えるといいね」
「うん、、、、、」
助手席に座る男は
黙り込んだ。
「ったく、なぜこんな時にクソ!」
運転席に座る男は
ドアにこぶしでドンと悔しさをぶつける。
この時でも地味に進むが
進んでは止まるの繰り返し。
残り時間は25分。
あと何台かで道が見える。
そしたら、初老の警備員がやってきた。
『お待たせ致しました、この道まっすぐに行き
赤さびれた元飲食店の看板があります。
それを、左に曲がってください。
グリーンピックの一番の最短ルートです。』
「ありがとうございます」
『いえいえ、申し訳ありません。』
車は渋滞から抜け
初老の警備員が言ってた通りに
その道のりへ。
「どうにか会えるよ。大野さん?」
助手席に座る男はいつの間にか寝てしまった。
運転席に座る男はこうつぶやいた。
「ほんっと、馬鹿な二人。本音を早く言えば
こんな事態にならなかったはず。」
素子、二度と本音を覗かせるような言い方はやめてくれ。
好きだった俺はそう思う。
大野さんに傷つけたら怒るよ。
なんてね。
「素子、、、、手をつなごう、、」
寝言言ってるしw
とにかく間に合ってくれ。
助手席に座る男は
素子と付き合ってる夢を見てるのか
ふんわりと笑う。
ーーーーーーー
素子はお店の照明を消して
小さな看板とメニュー看板をお店の中に入れた。
まだこの辺りに、美容室は開いているところが多い
斜め先に、鬼の百目鬼さんが経営してる店がある。
「先輩、看板は入れました。」
「うん、あと照明は?」
「消しました。」
「ありがとう。」
「先輩?」
堂号先輩は暗い顔をする。
「私……美容師を続けられる資格あるかな……百目鬼さんからは『お前は、失格だ今日で破門。出て行け。』今でもその言葉がトラウマ……」
「……」
「同情・共感は私にとって大っ嫌いな言葉だから、何も慰めの言葉なんて要らないから。」
「先輩、以前、先輩が……その、破門にされたあと同じ 百目鬼さんのところで働いていた、無那月店長が……言い方は悪いのは重々承知の上ですが、拾って下ったのですか?」
「ええ、言い方は悪いわね。でも、当たってる。」
堂号先輩はストレートに今にも泣きそうに言う。
孤独で立ち向かい過ぎて誰かに頼ることを毛嫌いしてる。
店長が前に呟いていた。
「同時期に好きな人と別れた、こっちに熱中しすぎて恋愛を疎かにした。」
「仕事と恋愛を両立していそうな堂号先輩が……え?」
「みんな、そいう言われる。私は人に相談する時間があったら試験に向かって練習してた。試験に対しての質問は別だけど。とにかく、ストレスが溜まる一方で好きだった人に八つ当たりしてしまった。それも思ってたことを全部。結局、その日のうちに別れた。私は恋愛に向いていないね。」
……私はどうしたいんだろう…
ずっと、意味深にしか物事を言わないたちだから
怒ってるのかな?
やだ……
「あ、このバック誰か忘れてる。素子、覚えてる?プラダのバック。」
「覚えていません。」
「開けても大丈夫よね?」
「はい……」
バックを開けてみたら
「うっ、香水きっつ!嫌な匂い。」
蓋をし忘れた、香水のキャップが外れてた。
「私、この手の匂いダメです。」
「閉める!」
バックの持ち主はASUKA・Sと小さな巾着に
名前が入ってた。
素子と堂号はむせる。
「先輩、その香水が入ってた巾着にASUKA・Sと名前がありました。」
「ASUKA・S?もしかして!あのマダム?!今日の夕方にご来店してたはず!素子、予約表出してきて!今日のぶんよ!」
「はい!」
店は閉まるはずなのに
ゴタゴタし始めた。
ーーーーーー
「赤さびれた、元飲食店の看板……どこだ?」
運転席に座る男は元飲食店の看板を探してる。
「赤さびれた看板……赤さびれた看板、あった。これを左に曲って……しばらくは直進か。」
どう考えても間に合わない。
「翔ちゃん〜いまぁどぉこぉ?」
「兄さん、起きましたか。」
「半分ねぼけてましゅぅ。」
「赤ちゃん用語w起きててください、時期に着きます。」
「間に合ったのか?」
「いや、無理かと……」
「そっか……そうだよな。」
もうこれで会えなかったら
次に進むしかないな。
「兄さん、俺、絶対、素子と兄さんを赤い糸を結びつけますから」
「ん/////ってやめろ!翔ちゃんが恋のキューピットなんてwだったら、あの子に告ればいいじゃないか」
「だーかーら、あれはたまたまなんです。スイーツパラダイスのクーポンのことは。」
「確実に怪しいな〜」
「何もしていませんw」
二人の男に笑みがこぼれる。
ーーーーーーーーー
「あった、鈴木亜寿加さんだ。」
「やっぱり〜荒地の魔女に似てる風貌だもん。」
某映画の、キャラクターを名前を上げた。
「あの香水はキツいし、趣味で香水作れるだけど...」
「素子、香水作るのが好きなんだ。」
堂号先輩は
意外そうな表情をする。
「...//」
「素子は、もっと...なんだろう。伝えるべき事は言った方がいい。」
珍しく、堂号先輩は優しいもののいいをする。
「店を閉めよう、このまま開いていると店長から怒られる。」
堂号先輩は後ろを向いて
今までにないくらい
声のトーンをさげた。
「先輩?」
「嫌な予感がする...会いたくない人が来る。」
「先輩?堂号先輩?」
「うん?」
「なにか、小言を」
「なんでもないよ。」
堂号先輩は毅然とする。
「先輩も、人の事言えませんよね?」
「タメ口で私に話しかけないで。」
「すみません。」
「まぁ、そうだけど…話すとしてもあなたには関係ない」
堂号先輩は重たい口を開いた。
「.....私は仕事が恋人。それ以上それ以外でもない」
素子はある人の言葉を思い出した。
「仕事がすきすぎて、俺を見捨てた人がいる。誰にも頼りたがらない、俺からすれば孤独な人。」
もしかして、
そんな訳ないよね。
突然1台の車が
店の前に止まった。
「はぁ、閉店なのに。素子、お願い。私は店の鍵を探してくる。」
「はい。」
見覚えのある車、見覚えのある人影。
素子は不安に駆られながら
店を出た。
「お客様、申し訳ございませんが当店は閉店...」
外には一人の男が店のドア前に立ってた。
「い、いやぁ。久しぶり、素子。元気?」
「お気をつけてお帰りください。」
素子は仏頂面で言った。
「待て!それは無いよ…素子に話したいことがある。」
「私は、あなたに話す事はありません。」
運転席に座る男が窓を開けた。
「素子、話を聞いてやりな。俺が言うのもなんだけど、素子も隠し続けてることあるでしょ?」
「...」
「素子、あの時の言葉の真実を教えてくれないか?俺は、ずっとあの言葉が気になっている。」
「あの意味のままです。」
私が言いたいのはそれじゃない。
「...そのままの意味なんだ...」
違う!私が言いたいのはこれじゃない!
「振られちゃったな、好きだったのに。」
「嘘...私の事が好きなの?」
気づいたら、目の奥がツンと痛い。
「うん、でも振られたから...」
「私...先輩の事が好きなんです…」
「素子...」
「回りくどい言い方をしてすみませんでした。」
終わったよね。
「先輩、私は」
「うん、わかってる。素直じゃないってことも。だから、付き合おう?素子。」
2人が話してる頭上には
消えかかってた街灯が付いた。
「はい。////////」
堂号先輩は店の中で2人の様子を伺ってた。
わざとらしく
店を出た。
「鍵を見つけたよ、素子...」
「...久しぶり、いつき。」
「...」
「先輩?」
「鍵を見つけたから、先に帰っておくね。お疲れ様〜」
「お疲れ様でした」
堂号先輩の胸騒ぎは的中だった。
思い出したくない思い出と
幸せな空気を漂わせてる
2人をちらりと見て
さっさと帰った。
「3人でドライブしよ?」
「えー、なんで?」
「俺、忘れてきた」
「ばか。」
「スイーツパラダイスに行く?」
「こんな時間帯ですか?!」
「だって、会社の人からクーポン3枚貰ったもん。」
「いいですよ。スイーツ食べたいという気分でしたので、とても嬉しい。」
「翔ちゃん、スイーツ食べたあと○○で降ろせ。」
「はいはい、ラブラブタイムですね?」
「やっと素子と一緒だからさ、今を噛み締めたい。」
「私は...嬉し...くない。////////」
「ツンデレ素子だ!」
3人が乗る車は賑やかで
ひとり、外を歩く人は
涙を浮べる。
END
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編集後記
(´Д`)ハァ…やっと書き終わったー
後味悪いよーというのはわかっています
あえて、後味悪いものにしています。
いつか、堂号先輩×翔さんのお話をあげたらな
と考えています。
休みなのに、ものすごく体調が良くないわ。
次は裏でお会いしましょう。
どっぷり濃厚なシーンを待っててください。
