全くなんなのよ!

 

気が散ってイライラする。

 

 

川越 久美子さん

 

気軽に話してくるなんて

有り得ない。

 

 

あんなにスッと懐に入って話しかけてきた

 

 

そして……あんぱん貰った/////

 

あの、あんぱん……美味しかった。

 

程よいあんの甘さ、外側のパンの生地はカリっ、ふんわり

少しのごまも付いて香ばしい味。

 

 

久美子……お、おばちゃんなら

気が許せる……のかも……

ああ、何を考えてるの私。

いつもの自分はどこ行った?!

 

 

お昼からの仕事始まる前に

 

睨む同じ部署の社員。

もう、慣れたことだから

気にもしない。

 

決まりの文句は

 

 

「冷徹な女」

 

「愛想がない。」


「隙がない」

 

「表情がない」

話してることが丸聞こえ。

 

一人に慣れ過ぎて

別に友達とかいらない。

 

一生嫌われたままでいい。

 

でも、どこかでもやもやして

何とも言い表せないような気分。

 

私は、

語尾には「だから何?」

をいうことが癖になってる。

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

岩谷いちか

 

入社試験の時は

華やかな笑顔をしてたけど

あれは偽りのお面をかぶって

受かった 

 

うちの部署に配属された。

 

事情は知らないが

僕は何度もごはんのお誘いをしたが

きっぱり断られる始末。

 

定時に帰宅する。

とてもいいことだが、あいさつはそっけない。

 

冷たい表情をして

何を考えてるのかさえ

探りたくてもできない。

 

唯一無二、うちの部署での戦力武器となる人物。

 

岩谷を連れて

クライアント先に企画案を提案したら

即決することが百発百中。

外れることすらない。

 

それで妬まれるのは部長の俺でもわかる。

 

あ~久美子おばちゃんが作ったあんぱん

今すぐにでも食べてみたい!

 

仕事中に誘惑に負けるな、俺!

 

うう、食べたい

 

やっぱり食べる!

 

引き出しに隠してたあんぱんを取り出して

食べようとしたら

 

い、岩谷??その視線やめてくれ~

 

何も言わなかった。

 

ほら、何を考えてるのかさえ分からない。

 

あんぱんをこっそり食べよう。

 

これは岩谷に感謝だ。

 

そういえば、岩谷をろくに話したことないな。

 

決まって、

「お疲れ様です、では私が一足早く帰ります。

お先に失礼致します。」

 

 

「お誘いはとてもうれしいのですが

お断りします。」

 

あとは、仕事の内容くらいしか話さないな。

誰一人、うちの部署の仲間たちに打ち解けようとしない。



残って仕事をするのはとても稀。

年に数回あるかないかぐらい

基本的に残らない。

そのせいか、他の社員から睨まれるのは

日常茶飯事。

 

俺は話したいよ。

一人だけ取り残されるのは

可愛そう。

うちの部署はチーム一丸となって動くから

岩谷だけ馴染めてない……

俺は何が出来るのだろうか

 

前に向日葵ちゃんから話を聞いた。

 

高校時代に同じクラスだった向日葵ちゃんと岩谷

一人ぼっちの岩谷がクラスに馴染めず

誰からも話しかけられず

自分から

話しかけ て、一時期友達になったが

あるときに一緒に遊んだら

岩谷の親御さんから帰宅する時間が遅くなって

謝ったものの

説教をされ、その後、遊ぶのは禁止にされた。

 

向日葵ちゃんと岩谷は不仲となるくらい喧嘩に発展し

二度と仲が戻ることはなかった。

 


仲違い(なかたがい)になった数ヵ月後

同時期に向日葵ちゃんは両親が不慮の事故にあってしまい

意識不明の重体に陥って、下の妹弟の世話をしなくてはならなくなった。

 

一方、岩谷は

今後の進路に向けて、担任の教師と話し合いが

岩谷の親御さんの独断決定される前に

自ら決めたことによって

大ゲンカ、進路室は嫌な空気が充満してた。

進路室から泣き叫ぶ声と怒鳴り合う喧嘩の声、

仲裁する声が廊下まで聞こえたと

向日葵ちゃんが証言してくれた。

 

向日葵ちゃんは何度も仲直りをしようと

試みたが

 

「可哀想と思ってるでしょ?同情するなら仲直りなんか

したくない、今後、私に近寄らないで!」

 

向日葵ちゃんも当時を振り返れば言い過ぎたことも

あると言ってた。

 

「自分で親に言い返すとかしないの⁉」

 

「自分の人生は自分のもの、

決める権利とかないの⁉」

 

岩谷の親御さんはとても有名な元財閥の一族であることであり

一族の子供たちは代々

留学や有名な大学、大企業にすすむことがモットー。

道を外した子供がいれば

修正するまで正しい道に戻す。有名じゃない大学があれば

許しは一切しない。

かなり、仕来りが厳しいすぎる家である。

 

俺でもこの話はあまりにも有名すぎるので

何度も耳にしたことはある。




岩谷がその後の進路は

学校中に噂が広まったため

事実だと思われる。




何処が本当なのか

向日葵ちゃんさえ、分からないことも多い。

 

 

 向日葵ちゃんは今でも後悔してるって言ってたな。



岩谷が本気で笑った顔ってどんなのかな?



「部長ぉー今夜ぁ〜一緒にぃご飯食べにぃ行きませんかぁ?♡♡♡♡♡」



うちの社員であからさまに色気を振りまいて

抱かれたいという欲が見えてる。

俺はそんなもの嫌いだ。


色気というのは

ふとした瞬間に


ドキッとさせる感じ。 




目の前にいらない色気を振りまいてる

社員がいて断るにも断れない状況になりかけた時


ギロっと鋭い目で俺を遠くから見つめてる岩谷がいた。


その目は怖いって!

 


「ご、ごめんね。今日、ちょっと用事があるからまた今度ね。」

 

 

「え〜わぁかぁりぃまぁした〜」

 

 

そんなものは引っかかりやすい男でもやっておけ。


ある意味、岩谷の怖い視線が助かった。

岩谷の怖い視線の原因は

鋭い眼鏡、おっかない視線。そのふたつだ。

 

 

「部長、資料添削をお願いします」

 


「わかった。」

 

 

 

 「部長」

 

 


 見上げれば

鬼の角が生えてそうな視線と表情。



「お言葉ですが、あんなので引っかかっては仕事の支障がでます。」


「は、はい……ごめん。し、資料添削をしておくね。」

 

 

「承知致しました」

 

所作がいちいち硬い!



もう一つ他の社員から怖がられる理由は

怒った時がとにかく怖い。

妥協は一切無しで優しさの欠片ゼロ

それでうちの部署を辞める人が何年か前にあとが絶えなかった。俺は何度か注意したけど

まだ直ってない。



「ねぇ……これは、どいうこと?ねぇ!💢ちょっとこっちに来なさい!」




来たよ……岩谷いちかの鬼の説教。



同行するのは……えー!入社4年目の男性社員!?

岩谷は入社8年目か

あの、男性社員は滅多に失敗しないのに

資料添削するのは今回は岩谷か

大丈夫だといいけど……



「ねぇ!この資料の作り方は一体どいうことよ!のんびり作っては間に合わないよ!」



隣の部屋から丸聞こえしてるくらい怒ってる。



俺はあの怒り方は苦手だ。

誰か……岩谷を矯正してくれる人いないかな

本気で怒るにしても程がある。



ーーーーーーーーーーーーー





ふふーふーん♪

さて、まーくんといちかちゃんは

午後の仕事捗って



「ねぇ!この資料の作り方は一体どいうことよ!のんびり作っては間に合わないよ!」



い、いちかちゃん!?その声は!




私は思わずドア越しに耳を傾ける


そしてちらっと小窓を覗く




ひぃーーー!い、い、いちかちゃん

鬼の形相で怒ってる!



昼間にあった時は気難しそうな顔をしてたから

やっとわかった。


これは、明日にでもいちかちゃんと会えたらすぐに

指摘をしなきゃ!



あわあわあわわ……男性社員さんまだ若手の人だろうお気の毒に。



私、久美子おばちゃんがいちかちゃん改革をすれば

柔らかい表情が出てくるかもしれない

よし、ハッスル入れよう。




ドン!


机を叩く音が聞こえたわ

これじゃあ圧迫説教じゃないのよ……



ん?そろそろいちかちゃんが出てくる

大変だ‪💦‬ワゴンを押して何も聞かなかったように

フリをして、泣いてる男性社員にこっそり

クリームパンとあんぱん、お惣菜パンをあげよう

売れ残りだし。




「いいわね!次やったら許さないから!」



「はい……」



「声が小さい!」


「はい!」



いちかちゃん、さすがにやりすぎだよ。


さて、ワゴンを押して行くふりをして


出てきたね。


ヒールをカツカツカツカツと鳴らしながら

部署へ向かった



説教部屋から出てきた男性社員は

もう涙目。

我慢してたのね。



「ほれ、パンをお食べ。元気が出るよ。」



「久美子おばちゃん……あ、ありがとうございます……」



「ねぇ、さっきあったこと教えてくれないかね?あれは、私の友達でさ、明日にでも注意しておくよ。」


ここは、嘘の手を使う。



「ほ、本当ですか?久美子おばちゃん」


「もちろんよ。」


男性社員は涙声で

いちかちゃんが怒ってた理由を教えてくれた。

大まかに言えば、

・添削期限過ぎてしまった書類があり

遅れて提出したら激怒。

・指定されたデザインになってない。

・一切妥協しない。

・職場の雰囲気はいちかちゃんが全て壊してると

・提出物は期限10日前に出してなかった

男性社員は期限過ぎて5日後に出した


なるほど、男性社員にも悪いところはあるわね。

とにかくなんといっで強く言いっては優しさの欠片無し

いちかちゃんにも悪いところはあるわ。



「あなたにも悪いところはあるわ、でも反省をして次に活かすのよ。」



「おばちゃん……」



「ほれ!グズグズしないでしないで仕事に戻りな。」



「う、うん。」


おっと、長居してしまったな〜

啓司が待ってるだろうに

あと、まーくんにもう一度会いに行こう♡



エレベーターに息子啓司がいるからワゴンを渡して


ちょっとだけまーくんがいる部署に寄り道〜♪


まーくんはうちの旦那よりイケメンだもーん♡


この歳でもおばちゃんは恋しちゃったのかも

(´∀`*)ウフフ


現実は旦那のことが好きだけどまーくんは目の保養





さて、もうすぐ

まーくんといちかちゃんがいる部署にたどり着くわ〜どんなことをしてるのかな?





着いた。


まーくん♡今、何してるのっ



「岩谷!」



ま、まーくん?!

久しぶりにまーくんが怒ってる姿を見たわ

しかも、怒ってる相手は



いちかちゃん!?


おばちゃんの悪い癖だけどどんな内容なのかな

盗み聞きを始めるか。




ふむふむ

あ〜さっきのことで

怒り方はよろしくないと。

次、あのようなことをしたら

懲戒免職を免れないと。




謝罪する姿は見えたけど

情がこもってないわね。



んま!他の社員からいや〜な視線がいちかちゃんの

方へむけられてる。



あの子に何があったの……





まーくんが部署を出た!

余程怒ってるのね。



とりあえず、まーくんを追っかけよう。



その途端


他の社員が

いちかちゃんに向けて怒りを露わにしてた



「ねぇ、岩谷さんあなたが社内の雰囲気を壊してる原因の一つでもあるって気づいてる?」



「ええ、そうだけど。それがなにか?」


「謝ってる姿は反省がこもってないよ!」


「私は誠心誠意で謝りましたが?だから何?」



「その口、今すぐどうにかして!あんたの話してることを聞くだけでイライラする。」



「あっそうですか。じゃぁ、あなたにも聞くけど

仕事の交渉上手くいってますか?いってないでしょ?」



「……もう、ここを辞める。」



「ふん、好き勝手にすれば?」



パチン!



私は思わず息をのんだ。

叩かれても何も思わない、いちかちゃんがそこにいる

今すぐにでも、いちかちゃんと話したい。


他の社員は手洗いに行った。



まーくんに会いに行かなきゃ




急いでワゴンを押して

まーくんが居そうな場所を探すが……


生憎、息子からの呼び出し

うるさいわね。


私にとって一大事よ


ワゴンは息子に渡して

まーくんを探したら

社内休憩室にまーくんとカズがいた。



「久美子おばちゃん」


「まーくん!ちょ……カズ!まーくんを泣かせたんじゃないでしょうね!?」



「変なとばっちりはやめてくださいよ。おれは、こいつの話を聞いてたんですから。」


まーくんはひたすら泣いてた。



「……ぼ、……僕は……部長……として、しっ、失格……なのかな……岩谷と……まともに話したいのに……聞いてくれない……」



「そんなことないわよ、まーくん。あなたは立派な部長よ。」



「だけど……岩谷は何一つ……教えてくれない

いつも……言いたくないです。としか答えてくれない……さっきは、怒りが溜まったのが溢れて飛び出してしまった……」



「…………こんなことを言いたくないけど、こんなの何年続いてるんだ?」



「……少なくとも4年程」



「じゃぁ、お前がいる部署は社内崩壊してるじゃないか、それだったら俺はクビにする。」



「ニノは引っ込んで!」


「舐め腐ったことを言ってんじゃねぇよ!」



「お前たち!落ち着きなさい!言いたいことはわかった!」



「久美子おばちゃん、社内崩壊してるのを見捨てろって言うのか!」


「違うの!まーくんはまーくんなりでの抱え込んでたものがあるのよ。」



「んだったら……なぜ早く言わなかったのですか相葉さん。」



「迷惑かけると思ってたから。」


「何言ってるんッスか、お互い様じゃないのか?

何年も一緒にいる関係だから。」


「ニノ……ごめん……言いすぎた。」


「俺も。」


「カズ、俺はもしもなら岩谷をクビにするという言い方をしてたわね?」



「うん。」



「私なら、ちゃんと話を聞いて改善する余裕を与えるわ。」



「おばちゃん、まさか岩谷を矯正するの!?」



「ええ。今日のお昼ちょっとだけ話したけど、素っ気ない態度は私も気に食わない。裏を返せば、彼女の寂しい姿が垣間見えたのよ。誰か……助けてってそんなふうに見えた。まーくんはどうしたい?」



「……俺も久美子おばちゃんと同じ、直せるところは直してあげたい……無理にとは言わずに……」



「よし!、久しぶりにおばちゃんのお節介焼きが来たのかもぉ〜w」


「おばちゃんやりすぎるなよ?」



「わかってるって、おふたりさんに内緒で手作りのミニシフォンケーキ持ってたからあげる。」



「お、おばちゃん(~_~;)」



ミニシフォンケーキは

少しだけぺしゃんこになってた。


おばちゃんは楽しそうな笑顔で

息子さんが待ってる車に乗った。


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嫌われても同然。

結局私って、必要なのかな?


部長から怒られ

ひどく落ち込む私。


悪いこと……したのかな?



久美子おばちゃんに……話したい

という気持ちはなぜ?



脳裏に蘇るのは

父からの乱暴な扱い

そう……私は元岩谷財閥の一族だった。

今、やってることさえ正しいのか分からない。

元だから、単なる肩書きに過ぎない。


言いたいことは全て真逆の事いっては

人に傷つけてひとりぼっち。



もうひとりぼっちに慣れたから平気




仕事終わりに


母に久しぶりの電話をかけようとしたが

スマホの画面で

母の名前を見て電話をかけるのをやめた。


母は私に対して優しい人だったが

いつの日から、私に対して無視するようになった。

どいうわけか。



恐らく父に逆らえなくなったのかもしれない。



あれ?なぜ?

私、泣く人だっけ?


バッカじゃないの……


目頭が熱い。



乃々華に連絡……ってあの人忙しいよね。



「ハハッ、笑える。」

渇いた笑い方をする自分


自分の気持ちに偽るしかない。


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編集後記



勝ち気ないちかちゃん

裏ではこんな想いを抱えてたのね( ノД`)


次回はしばらく「雷雨」と「intergalactic」を

更新します

表で読んでる方はすみません💦

またの機会に別のをあげます。┏○))ペコリ


話は変わりますが

ワクチン接種してからその後

副反応は

左首筋がとても痛く、首が回らなくなって

周りを見るのが一苦労でした。

あとは、接種した部分が痛く肩が上がらなく

ヒィィィィィ(゚ロ゚;ノ)ノと言わんばかりに痛みがひどかったです。

あとは、熱は

基本的に36.6〜36.2度を繰り返してましたが

一時36.8度まで上がってました。

今は首は回るようになって、

接種した部分が少し痛いと感じるだけです☺️