私は中国留学を2回経験した。
1回目は2005~2006年の10ヶ月を上海の復旦大学、
2回目は2008年の夏に2ヶ月を長春の吉林大学にてだ。
いずれも語学留学だった。
中国の大学の留学生用の教室には必ず、大きな世界地図が
掛けられている。いずれも紙なのだが、表面がテカテカした材質の地図で
両面テープみたいなもので留められている。
私は中国留学中に (上海でも・長春でも) よくその世界地図を掃除して各教室を周った。
どうゆう事かというと、世界地図によくボールペンで日本海や日本の
領海を示すところに落書きがあったからだ。
中国の地図の日本海を表すところにはちゃんと『日本海』と書いてあるのに、何故か教室の地図には日本海と言う文字に大きくバッテンがつけられていて、その上に大きく「東海」と書かれていた。これはだいたいどこの
教室にも共通していて(上海でも、長春でも!)、その日本海という文字の上のバッテンを水をつけたティッシュで擦って消しても、数日するとバッテンがまたついていた。
また、ひどい物になると、明らかに日本に対する誹謗、中傷的な文字が
書いてあったのでそれもよく消しておいた。
この件について面白い点が3点ある。
一つ目は、上海でも長春でも同じ現象が見られたこと
上海だけでこの現象が見られたら、たとえ留学生のほとんどの教室の
地図が落書きされていても、たまたまだと思えるけど、遠く離れた長春でもそのような現象が見られたので、この落書き主の国の国民性として「地図上で間接的に日本を攻撃する」というものがあるかもと個人的には思った。
二つ目は、
その様な落書きを見ても何とも思わない日本人学生が多いこと。
三つ目は
その様な落書きを見ても恥ずかしいという気持ちにならない、落書き主の
国の学生が多いこと。
特に個人的に一番いただけないのが、2番目の、日本人学生が気にしない事だと思った。
なんで、気にしないんだと日本からの留学生に聞いた時に
「別に俺の事じゃないしどうでもいい」
「そんな事でいちいち目くじら立てても生産性がない」
というのが彼らの意見だった。
私は人からの批判は受け入れるけど、扱き下ろされるのは好きでない。
なので自分のアイデンティティの要素、家族、友達、会社、出身大学、
国、故郷、、、、等々を批判ではなくて扱き下ろされた場合も、たとえ相手が誰でも、一応自分なりの意見は言ってしまうタイプなのだ・・・・・・・
なので、結構中国では波風立ててしまった。。。
一度こんな事があった。
中国語の授業で自国の紹介のスピーチをする事になり、私は日本各地の特色が分かりやすいように、コメント入りの日本地図を書いて、資料として用意しておいた。
それを配って、一通り日本の紹介を終えた時に、
一人の韓国人の学生が手をあげて
「この韓国と日本の間の島に『竹島』って書いてあるけど、これは韓国の領土で『独島』だ。勝手にこんな事を書くな」
と言いだした。内心しまった!と思った。
なぜなら「現在日本と韓国で領有権をめぐって議論がある場所」、という説明を地図上に加えるのを忘れていたからだ。
クラスメイトは日本人と韓国人だけではなく、欧米や南アメリカの学生もいたので、本当に純粋な国の紹介、と言う意味で書いただけだったのが、
配慮が足りず、韓国の学生の神経を逆なでしてしまった。
またその韓国人の学生は
「北海道が他の民族の土地だったのに、大和民族が入植してそこの言語が途絶えた、とか言ったら、俺ら韓国人は日本に占領された時を思い出して、俺らも同化させられてたかも、と思って嫌な気分になる」
と言った。
私は
「むしろその歴史が無かったことだと思ってる日本人がいたらそっちの方が良くない事で、その歴史を忘れない事が同化させられた民族に対する尊重だと思ってる。だからこうゆう事もあったのだと、外国のみんなにも知って欲しくて発表したまでで、別に大和民族の侵略を誇る意味で言った訳ではない。そこら辺は汲んで欲しい」
と言った。
そして竹島についてはまだ決まってないのに配慮が足りなかった、と素直に認めた。
そしたら他の韓国人までも「まだ決まってないんじゃなくて、あれは韓国ののもなんだ!」と怒り出した。
そこですかさず、オーストラリアの学生が
「私はアジアの人間じゃないから客観的な意見言うけど、その問題については国際的にはまだ決まってないのが現状なんだから、日本人は日本のものだという権利があるし、韓国人は韓国のものだと言う権利がある。それでいいと思うし、それが一番自然だと思う。今日は国の紹介ってコンセプト通り、日本側の意見が出て、韓国側の意見も出たんだから、有意義じゃないか!」
と言った。そしたら韓国人以外の学生から
「良いこといった!」
と欧米のノリで拍手が興った。中国人の先生まで拍手をしていた。
韓国人の学生は不満げだったけど・・・・・
この件は私自身が種をまいたので、レアなケースだけど
中国の大学では日本人は他の留学生や中国の学生から
批判されることが良くある。
そう言った際、日本人の学生はたいてい
うまくはぐらかしたり、「別に私は気にしない」
という態度を貫いていた。
一方私は必ず流す事なく、私なりの意見を言っていた。
他の日本人に良くそうゆうのはキリないと言われていたけど、
中国語の練習も兼ねてとことん話してきた。
いろいろ国の事を聞かれて流すよりは話した方が良いと思ってた派なので、手を挙げて反論してきた韓国人は日本人と違って偉いな~と思ったりした。
てな事で、中国留学を通じ色々聞かれた経験から、
結構歴史とか国と国の関係とか
外国人と互角にやっていくためには・・・等々に興味があり
それなりの勉強をしてきたけど、社会人になって事態は一変した。
もう現在では新聞も読まなくなったし、歴史、経済についても
興味はありつつも、積極的に学ぶ姿勢は封印されてしまった。
なぜならどんな事言ったとしても
一番大切なのは「自分の生活を支えること」じゃないかと思うようになったからだ。
自分の義務を全うし、生活を支える事が出来てこそ、その他のアクティビティーが出来ると今は思っている。

