愛と認識との出発(倉田百三)11恋愛のため今は何ものをも 犠牲にして悔いず、また恋愛 以外のものは何一つなくとも 飽和し得ると信じたほど 恋愛に生きた。 父母も、姉妹も、知己も 自分が一生をそのために 捧げようと欲していた哲学さえも ことごとく恋愛のためには 生贄として供えることを 辞しないほど恋愛に賭けた。