一方、安達くんは。
黒沢くんのことが頭から離れず、会社で悶々として仕事が手に付かない。
(次、会ったら、全部元通り・・・。黒沢はそう言った)
(けど、元通りって何だよ!)
(頭から離れない。黒沢との間であったこと)
今まで読んでしまった黒沢くんの心の声が次々と甦る。
マフラーをかけてくれながら、自分のことを評価してくれているのがわかったこと。
落とした資料を拾いながら、自分への特別な感情を自制していたこと。
飲み会の時に二人で夜景を見ていて、「ごめんな、好きになって」っていう黒沢くんの辛い感情を読んでしまったこと。
ケガの手当をしてもらった時。倒れて抱きかかえられた時。
自分のことを特別だって思ってくれていること。
夜に自分に触れようとして、思いとどまっていたこと。
そして、告白されたことと、返事を躊躇してしまったこと。
去って行く黒沢くんの背中。
「何もかも、全部、全部、・・・全部」
「全部、全部、離れない!」
←この安達くんが黒沢くんへの想いを自覚していくシーンは、もう鳥肌です。安達くん、ガンバレ~!
突っ伏して悩んでいたけど、決心してガバッと体を起こす。
←この時、力強い意思を秘めたような表情がカッコいいの。
時計で時間を確かめ、仕事を押しつけようとする先輩を後に、夜の街に飛び出していく。
(気づくと黒沢のこと捜してる。黒沢のこと考えてる)
黒沢くんが嫉妬していた藤崎さんと仕事をしていても、黒沢くんのことを考えて上の空。
(気がついたら黒沢でいっぱいで・・・)
「そうだよ、オレ」
息も上がって苦しそう。それでも、全力疾走の安達くん。
歩道橋の上で立ち止まると、その先に
「黒沢・・・」
出張から帰ってきた黒沢くんは、安達くんの姿を見て驚き、「安達?どうしたんだよ」足早に駆け寄る。
「はぁ、良かった」まだ息が荒い安達くんに対して、
「どうした?」と不安げな黒沢くん。
←いやぁ、ここからのシーンはドキドキしますね。今では結果はわかってるけど、最初に見たときは、ホントに心配しながら見てた。
「ごめん」
安達くんが深々と頭を下げるのを見て、黒沢くんは表情が曇る。←絶対、お断りの「ごめん」と思ったよね。
「昨日は、ううん、これまでも、本当にごめん。オレ、本当にビビりだから、何回も、何回も逃げて傷つけた」
←このあたりの二人の会話で、黒沢くんの表情の微妙な「間」にドキドキ。踏ん切りつけようとしてたのに、安達くんが迎えに来てて一瞬嬉しそうだったり、何言われるか不安そうだったり、諦めた感じになったり。
「だって、オレたち男だし、同期でいた方が楽だし」
「ん、わかってるよ」やっぱりな・・・、って落胆して言葉を遮ろうとする黒沢くんに、
「いいから、聞けって」決心が鈍らないように、勇気を振り絞る安達くん。
「黒沢といるとビックリすることもあるけど、気づいたら笑ってて、一緒にいるのが心地よくて」
安達くんは、自分の感情をどう表現していいかわからず焦りながらも、黒沢くんへの想いの言葉を探す。
黒沢くんは、安達くんに何を言われるのか、まだ困惑している。
「そんな時間も悪くないなって思えて、いや、そういう理屈とか抜きで」
「オレ・・・、オレ、黒沢が好きだ」
「返事遅くてごめんだけど、これがオレの気持ち・・・」
安達くんの言葉が終わらないうちに、黒沢くんは思わず鞄を落とし、安達くんを抱きしめる。
←この抱きしめ方が、凄く好き。身長差もあるからだけど、安達くんに頬を寄せながら、肩から腕を回してギュッとするの。
「ホントに良いの?」
「え?」
「逃げ出したくなっても、もう離さないけど」
「おうっ」
「おうって・・・」凄く嬉しそうな黒沢くん。もう、泣きそうになってる。
幸せをかみしめるように、ずっと安達くんを抱きしめている黒沢くんに、安達くんも身を任せたまま。
(すげー、心臓の音、速い。言葉にならない黒沢の想いが流れ込んでくる)
安達くんも、少しためらいがちに、でも、力強く黒沢くんの背中を抱きしめると、黒沢くんはそれを感じて、さらに安達くんを強く抱きしめる。
(オレは、こいつの心に触れるために魔法使いになったのかもしれない)
←こんなに抱きついていて、黒沢くんの心が安達くんに読まれちゃうんじゃないの?と思ったんだけど、そういうことね。ここの「言葉にならない黒沢の想い」っていう表現、凄く好き。
「こいつの心に触れるために・・・」っていうところも、黒沢くんが酔っ払っちゃったときの「初めて心に触れられた気がした」からつながってるの?そして、クライマックス前の柘植さんからのアドバイスにつながるんだね。
昨日、告白する前に思い詰めながら歩いた帰り道を、今日は幸せいっぱいに並んで帰る二人。でも、安達くんは、決心して告白したものの、どうして良いかわからなくて緊張気味。←もう、可愛さ満点ですよ。
「そんな、緊張しないでよ」←黒沢くん、ちょっと乙女モードに入ってる?
「え?」
「オレまでうつる」
「黒沢でも緊張するの?」
「あたりまえだろ、さっき聞こえなかった?オレの心臓の音」
頷く安達くん。「聞こえました」←可愛い!可愛い!この可愛さは何なの?黒沢くんがメロメロになるの当たり前だよね!
それに、初めは少し離れて歩いてるんだけど、話しながらちょっとずつ近づくんだよね。こういうところも萌えポイント高いです。
黒沢くんも「やっぱり」なんて、嬉しそう。
会話がもたなくて、しどろもどろの安達くんが「なんか、メシ食ってく?それとも・・・」
「それとも?」黒沢くんが意地悪っぽく安達くんの顔をのぞき込んで、「それって、安達の家に行っても良いってこと?」
←キャーっ!想いが通じたら、もう大胆になっちゃって、イケイケモードじゃない?さっきまで、あんなに苦しんでたくせに。
安達くんが、返事に困って焦るところで続く。
←この辺が、恋愛経験なくて、どう対応して良いかわからないんだよね。きっと、黒沢くんは、それを可愛いと思っているはず。
よくあるBL漫画だと、告白シーンの後は、ベッドシーンになったり、二人が結ばれたりするんだけど、ここの、黒沢くんと安達くんが、少しずつ気持ちを確め合ってる感じが凄く良い。
いつも、1話ずつ見直して書いてるけど、今回は続きが気になって(いや、一度見てるからわかってるんだけど)、第8話まで見ちゃいました。
あ、
ちょっと脱線ですが、安達くんもためらいがちに黒沢くんを抱きしめるシーンは、「ルパン三世 カリオストロの城」を思い出しちゃった。ルパンはクラリスを抱きしめるのを我慢するんだけどね。わからない人は、ごめんね。
ここからは、第7話その3を投稿した後で、黒沢くんが泣いちゃったシーンを思い出して、どうしても書いておきたかったことがあるので。
安達くんが、酔った黒沢くんに「ちょっと寝ろよ」って言ったじゃないですか?
黒沢くんの気持ちが落ち着いて、少し酔いが覚めるまで付き添ってたのかな?やっぱり、付き添ってたよね?
時間的に、終電はない?二人はどうしたんだろ?
黒沢くんは、安達くんに感謝しながらも、弱みを見せたことが恥ずかしくて、一人で帰っちゃったかな?
安達くんが気を回して、黒沢くんをタクシーで帰らせたかな?で、自分はネットカフェ?
まさか、二人でホテルってことはないだろうから。
次の日、会社でどんな顔して会ったんだろ?
←この二人のシーンを想像するだけで煩悩が炸裂!