すれ違い *1

 

「澪ちゃん・・・。

 ちょっと聞きたいことあるの。

 ・・・大人になるってどうしたらいい?」

 

「急にどうしたの?」

 

「早く大人になりたい・・・」

 

「まこはもう成人してるから大人じゃないの?

 また、大樹さんになんか言われた?」

 

「まこがもっと大人になったら

 付き合おうって言われたの。

 だから、早く大人になんなきゃいけないの。

 でも、大ちゃんがいう

 大人の意味が分かんなくて・・・」

 

「え!?そんなこと言われたの?

 てか、好きなのは認めて、

 両思いだって分かったのに

 付き合ってくれないの?」

 

「うん・・・」

 


あの幸せな夜に大ちゃんに言われたことが

胸の中で引っかかっている。

まだ、私は大ちゃんの恋人になれた訳では

なかった・・・

 

 ***

「まこ、もう少し付き合うのは待ってて欲しい。

 まこが実習生っていうのもあるんだけど」

 

「あ、ううん。そりゃ実習生だもんね・・・

 まだ無理だよね」

 

「・・・それだけじゃないんだ。

 まこにはもっと大人になって欲しい」

 

「大人になるって?」

 

「そこはまこ自身が考えて。

 ・・・まこには人に合わせるとか、

 頼るとかじゃなくてもっと自分自身を

    持ってほしい」

 

私の頭は真っ白になった。

好きだけじゃ一緒に居れない。

自分自身を持つって・・・

私には何が足りないの?

大ちゃんの求めていることが分からない。

                                                                     ***

 

「そんなの、大樹さん酷いよ」

 

「でも、私を彼女にするには

 何かが足りないってことでしょ?

 私、甘えたり、弱音はいちゃったり

 しちゃうからかな。

 何も自分で解決できなくて

 人に頼っちゃうからかな?」

 

「まこ、そんなことない!

 まこを好きになってくれた人だよ?

 なんで、その人に甘えちゃだめなの?

 頼っちゃダメなの?

 そんなのおかしくないかい?

 ・・・てか、酷すぎる。

 付き合えないのに泊まりに誘う?一緒に寝る?

 まこには悪いけど、

 澪は大樹さんのこと嫌いだわ」

 

「澪ちゃん、でも、

 私がキスしたいって言っちゃったから」

 

「それでだけでキスしたんなら、

 まこのこと何にも考えてないよ。

 全然誠実な人じゃない!」

 

 

その日から澪ちゃんは

大ちゃんの名前すら言わなくなったね。

澪ちゃんが私のために怒ってくれたって分かる。

自分で何度も考えた。でも、何が正解で、

どうしたら大ちゃんの彼女になれるのか、

考えても、考えても答えは出なかった。

次第に自分から連絡をすることも少なくなり、

大ちゃんからの連絡も減っていった。

私は、仕事が忙しいから

ラインとかも迷惑。

それも甘えだと思った。

大ちゃんに話したいことはある。

でも、

そんな事いちいち言ってたら子どもなのかな。

自分の気持ちを抑え、我慢しているうちに

私がこう言ったら嫌われるんじゃないか?

大ちゃんはなんて返して欲しいのだろう?と

大ちゃんの顔色を窺うようになり、

大ちゃんと何を話していいのか、

それさえ分からなくなってしまった。


“大人になる”

その日、私にとって一番嫌いな言葉になった。



*恋、まこ*

今日も恋していますか?

恋はなかなかうまくいきませんね・・・

次回もよろしくお願いします😂