すれ違い *3

 

4人は解散し、私は優香さんの家に

今日は泊まることになっていたので、

優香さんの家へと向かった。

寝る準備を済ませ、

テレビを見ながらくつろいでいると

 

「佐倉さんさ〜

 今日、鈴木さんと手繋いでたでしょ?」

 

唐突な質問に、動揺を隠しきれない。

もう~バレてんじゃんか・・・。

 

「えっ。それは、あの・・その・・・」

 

「見えてたから、嘘ついても無駄だよ〜(笑)

 ・・・佐倉さん鈴木さんはやめた方いいよ。

 あの男に引っかかっちゃダメ。

 あの人、優しいから

 職場でもモテてるんだよね。

 今までにも職場内で

 付き合っていたことも多いし。

 今だって、私が知ってる限りだけど

 2人とうわさたってるんだよ」

 

「えっ。なんのうわさですか?」

 

「その2人のどっちかと

 付き合っているってうわさだよ!」

 

うそ、そんなの、うそだよね。

大ちゃん私のこと好きって言ってくれてたよね?

私が早く大人になれなかったから?

連絡減ったから?

全然、会えなかったから?

なんで?どうして?

 

「佐倉さんも実習の時、

 たしか会ったことあるはず・・・

 1人はひまわりユニットの人だよ。

 佐倉さんと同い年だって話してたよね。

 いつも鈴木さん4~5人のグループで

 遊んでるんだけど、

 そのなかの1人でね、

 前、鈴木さんの家に1人で

 遊びに行ってたってうわさだよ」

 

ひまわりユニット・・・

あの子だ。私は一年前の記憶をたどった。

ショートカットの似合う可愛らしい子で、

仕事もテキパキやっていて、

家族様にお茶を出したり、

すごく気が回る子だったのを覚えている。

確かに、私と違って、大人な雰囲気があったな。

 

「もう1人は、

 鈴木さんね、施設長の知り合いの娘さんと

 お見合いしたんだけど、

 どうやらうまくいいってるのか、

 月に2回くらい会ってるらしいよ。

 いつも施設長にその子とどう?

 って聞かれたりしてるし・・・」

 

うそだよ・・・

お見合いをしたのは大ちゃんから聞いた。

でも、まだ会っているなんて聞いてない。

だって、

お見合いの話を聞いて、嫉妬して、

思わず告白しちゃったんだよ?

それで、俺もまこが好きって

言ってくれたんじゃん。


私は黙って、

優香さんの話を聞くことしかできなかった。

心がズキズキと痛み、

息ができないくらい心が締め付けられている。

気づくと、ぼたぼたと大粒の涙が流れ落ちていた。

 

優香さんには気づかれたくない。

その一心で、涙を拭かず、

こらえようと必死だったが、

どう頑張っても止まらない涙。

 

「佐倉さん、もう遅かったんでしょ?

 鈴木さんに手出されたんじゃない?」

 

「・・・」

 

質問には答えられない。

優香さんは大ちゃんと一緒に仕事をしている。

大ちゃんの邪魔はしたくない。

なのに、涙は止まる気配はない。

思わず、布団をかぶった。

無言のまま涙をこらえようとするが、

逆に声まで出そうになる。

 

スマホををみると1件の

メッセージが届いている。


大ちゃんからだ。

 

メッセージを開くと

“久しぶりに会えてうれしかった。

どうしてもまこの隣に座りたくて、

そしたら手も握りたくなって

我慢できなかった。

いきなりごめんな。来てくれてありがとう”

 

その夜は、布団をかぶったまま

声を殺しながら泣き続けた・・・。

大ちゃんの何が本当で、何が嘘か分からない。

この時、

自分がこんなに泣くとは思っていなかった。

こんなに涙が出るくらいきっと

私は大ちゃんのことが好きで、

もう後戻りができないことを知った。



*恋、まこ*

今日も恋していますか?

すれ違い 完。

次章もよろしくお願いします🤲