今年の「住まいのオーダメード館403」
のコラムは、紫式部の源氏物語に因み、
「平安時代衣食住」について書いています。
今日のブログは今年2月のコラム
食事の場面や食べ物の記述は少なめです。
それでも時折、強飯(こわいい)、
御粥、水飯(すいはん)、
湯漬(ゆづけ)、屯食(とんじき)、
などという言葉が出てきます。
当時、米の調理法としては、
当時、米の調理法としては、
こしきで蒸す方法と、水を加えて
煮る方法がありました。
貴族たちがよく食べていた強飯は、
うるち米を蒸して作ったもので、
今の炊いたご飯よりは
ずっと硬かったようです。
この強飯に水をかけた水飯や
湯をかけた御湯漬なども
食べていました。
米を鍋で煮る際、
水分が多いと汁粥、
少ないと固粥(かたがゆ)が
出来ましたが、
貴族たちは汁の多い汁粥も
よく食べたようです。
固粥は姫粥とも呼ばれ、
これが現在のご飯の原型と
言われています。
強飯を握り固めたおにぎり状の
ものを屯食といい、催しの際に
下仕えのものにふるまいました。
「ここは、かかる所なれど、
「ここは、かかる所なれど、
かやうに立ち泊りたまふ
折々あれば、はかなき果物、
強飯ばかりはきこしめす時もあり」
(ここはこのような山里ですが
このようにお泊りになる時もあるので、
ちょっとした果物や強飯ぐらいは
召し上がられる時もある。)「薄雲」
「御粥などこなたに参らせたれど、
御覧じも入れず、日一日添ひおはして、
よろづに見たてまつり嘆きたまふ。」
(御粥などをこちらで差し上げたが、
御覧にもならず、一日中付き添って
いらして、いろいろと介抱なさり、
心を痛めておられる。)「若菜下」
「人びとに水飯などやうの物食はせ、
君にも蓮の実などやうのもの出だしたれば」
(供の人びとに水飯などを食べさせ、
君にも蓮の実などのような物を出したので)
「手習」
「物聞こし召さぬ、いとあやし。
御湯漬け」などよろづに言ふを」
(親密にお話などなさっておられるので、
御湯漬などを差し上げなさる。)「浮舟」
「その日の御前の折櫃物、籠物など、
右大弁なむ承りて仕うまつらせける。
屯食、禄の唐櫃どもなど、ところせきまで、
春宮の御元服のをりにも数まされり。」
(その日の御前の折櫃物や籠物などは、
右大弁が仰せを承って調えさせた。
屯食や禄用の唐櫃類など、
置き場もないほどで、東宮の御元服時
よりも多かった。「桐壷」
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