瀬織津姫と龍~物語の瞑想・祈りのお話 | 神様と人をつなぐ 香坂琉月オフィシャルブログ

 

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この物語は10分で書き上げた瞑想用のお話です。
オンラインのお話会で音読しながらみんなで祈りを合わせました。
後から、物語にしたのはきっと多くの方にお届けする意味があったのだろうと思い、公開することにしました。読みながら想像して下さればOKです。
途中で祈りを心の中で声にする場面があるのでぜひ心の声にしてください。
震災への鎮めの祈りでしたが平和への祈りも込めて。
伝える必要があって神様に書かせていただいた物語なのだと感じています。
香坂 琉月

瀬織津姫と龍のお話

 

ずっとずっと昔、時代をさかのぼること、数千年前・・・

まだ国のない日本が生まれました。

 

海と陸のみで国の境目がない時代

 

空は黒い雲におおわれ稲妻がとどろき、大風で海は吹き荒れていました。

地面を震わす地鳴りは岩や山を揺らし、

大きな山の上からは赤いマグマが流れ強い硫黄のにおいがしました。
辺りはガスでけむって大地は波打っていました。

 

それから何十年も何百年も過ぎたころ

生まれた龍がいました。

 

小さな龍には兄弟がいました。

 

気の優しい龍

気高く美しい龍

ひょうきんでおとぼけの龍

元気で勇気のある龍

無口で力持ちの龍

 

5頭の龍はとても仲良しで、いつも一緒に遊んでいました。
 

ある日、龍の兄弟たちの前に美しい女神様が現れました。
 

女神様は龍の兄弟たちをとてもかわいがってくれました。

やがて龍たちは女神様の力になって女神様の役に立ちたいと思うようになりました。

 

「女神様。わたしたちはもう大きくなりました。」

「わたしたちに何かできませんか?」

「女神様をおたすけしたいのです!」

龍たちはすっかり大きくなって大人の立派な龍に育ってしました。

そして

自分がどうして生まれたのか知りたいと思っていました。

 

そのころの日本にまだ国はありませんが、

木の芽が芽吹き、緑が広がり、川にきれいな水が流れて花が咲く大地になっていました。

空は青々と美しく白い雲が楽しそうに風と旅をしています。

龍たちが生まれたときのように地面がゆれたり割れたり荒れた大地ではなくなりました。

 

女神様は龍たちの言葉を聞いて

にこりと優しく笑って1頭ずつをゆっくり見上げました。

「立派になりましたね。あなたたちが生まれ成長するように大地も育ちました。

あなたたちが生まれたのは大地を守るためです。守るためにはたくさんの力が必要です。
とても疲れるし大変なお仕事です。それでもやりますか?」

女神は少し悲しそうな顔をして愛しそうに龍たちを眺めました。
 

龍たちは目を輝かせてやりたいと頷きました。

 

「この大地は「日本」という名前になります。お日様が昇る国であり神々の国です。
そして5つに大地が分かれます。その1つ1つをあなたたちに守ってほしいのです

でも、1番大きくて大変な場所があります。」
 

女神が言葉を切ると無口で力持ちの龍が身を乗り出しました

「わたしがやります」

 

女神は驚いて名乗り出た龍をみました。

「とても力が要る大変な場所です。あなたの命が尽きてしまうかもしれません。」

女神のことばに他の龍は次々に言いました。

 

「大丈夫、そのときはわたしの力を注ぎます」

「わたしも助けます」

「わたしも!」

女神は龍たちの言葉に頷くと

「そのすばらしい絆をつないで、みんなで日本を守りましょう」

 

5頭の龍は出来上がってきた日本列島の5つの島に分かれました。
今でいう「北海道」「本州」「四国」「九州」「沖縄や島々」です。

 

1番大きくて力持ちの龍は「本州」と呼ばれる大きな土地に横たわるように鎮まりました。

頭からしっぽまで緩めることができない姿勢で頑張る場所でした。

 

女神は
「あなたの勇気を兄弟たちといつまでも応援し一緒に守ります。」
と、無口で力持ちの龍に伝えました。無口の龍は黙って頷き、静かに目を閉じました。

女神の名前は瀬織津姫(せおりつひめ)

瀬織津姫は兄弟龍の命がつながって日本を守り、反対に兄弟龍が大地から守られるように祈りを捧げます。

 

「天の雫から生まれし5つの御魂よ。勇気ある御魂はこの地に鎮まり、この地を守る尊い御魂です。
あなたがたの御魂が天に守られこの地の命を持つものからからも守られることを約束しましょう。
龍たちは地下の水でつながっています。
地下を流れる清き水が龍たちを繋いで力を分け合うでしょう。
その水を汚すことなく命あるものが大切に守っていくでしょう。

私はこの地に生まれる人と力を合わせてあなたたちの御魂を守ります。
いつまでもこの地の命が輝く未来を一緒に作っていきます。
あなたちの力が弱まった時こそ「人の祈り」があなたちに注がれます。
 

人の子よ 想像してください。

あなたの祈りは大地をうるわす雨となり

地にしみて、ずっとずっと奥深くの

大地を流れる龍脈の水を通って

龍たちに届きます。

人が穢した土地で傷ついた龍たちの傷を癒すことができます。
 

ありがとう

人の子よ

 

龍たちへの祈りを心で届けてください。
あなたの言葉を胸の中で声にしてください
 

*それぞれの気持ちを心の声にしてください。

 

あの子たちの力になってくれて

あの子たちの傷ついた体が光り輝いています。

 

美しい光が日本中に満ちて

世界が輝いています。

 

ありがとう人の子よ

あの子たちを忘れないでください。

 

心から感謝します。 おしまい