上質な映画を見たような気分になったこちらのCM。



恋というものが遠く離れたところへ行ったと思っている人々のところに
不意打ちのように現れる瞬間を描いてて、昔このCMのシリーズ見るのが好きでした。
こんな風に言われたら、心の奥を鷲掴みされますよ。
しかも大森南朋ですよ。奥さん。

でも本当のところ、こんな感じで遠い花火のように感じるくらいがいいのかもしれません。

打ち上げ花火を連射しまくり、挙句の果て愛人9人。

「黒い十人の女」の船越英二です。船越英一郎のお父さんです。

市川崑監督のスタイリッシュな映像、和田夏十の緊張感漂う脚本、
妻の中に潜む、夫への愛憎と愛人への優越感、そして女としての打算を表現した山本富士子の怪演、
そこだけフランス映画の香り漂う岸恵子の快演、今と声が違う上にコケティッシュな中村玉緒、
ねむの木学園の園長になる前の宮木まり子等の演技バトルと見どころは満載なのですが、
特筆すべきは船越英二の信じられない軽さ。

軽いったらありゃしませんよ。
空気より軽い男を好演してます。

妻に問われて答えた、愛人を9人こさえた理由が、「雨降ってたから傘を借りたらなんとなく」
「番組がうまくいかなくて慰めてたらなんとなく」。
そんなこんなで9人ですよ。未遂含めりゃ10人ですよ。
外見がよく、ギャルのような感性で、小学生以上の考えてなさ。
そして、アンタッチャブルの山崎さんを彷彿とさせる適当さ。
恐ろしい。

そんな恐ろしい男をさらっと、しかも品を持たせて演じる船越英二の凄さ。
こういう役にリアリティを持たせるのは人間らしい葛藤が少ない役なので逆に
難しいと思うのですが、洒脱で呼吸するように女を口説ける男を嫌みなく演じてます。

ホント、災害レベルの危険な男です。
そんな男なのに離れられない魅力があるので始末が悪い。
そりゃ愛人含めて10人の女から暗殺計画たてられるわけですよ。

黒い十人の女 [DVD]/船越英二,山本富士子,岸恵子

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エンディングの罰ゲームくらっちまった感漂う、岸恵子のアンニュイな表情がまた素敵。

直球の恋愛映画をあまり見るタイプではなく、
どちらかというと、直球のゾンビ映画とか直球のB級アクションを
好む傾向にあるのですが、たまーーーーーーに、愛とか恋とか
そういうのも見ます。


「愛は平和ではない
  愛は戦いである」


というコピーが素敵な「エロス番長 ラブキルキル」を見ました。
ラブでキルキル。うふ。
エロス番長ですけど、殆どエロス系の描写はございませんのでご安心を。

エロス番長2「ラブ キル キル」 [DVD]/津田寛治,愛葉るび,松田祥一
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不穏な感じのタイトルと津田寛治さん主演なのです。
見ないわけにはまいりません。


館山がとおぼし館川市を舞台に、変態たちが恋のバトルロイヤルを
繰り広げるラブコメディ…かな。


津田さん演じるサディスト/マゾヒストの変態公務員皆川(趣味:珍品ポルノ収集)が
一目ぼれした女性サユリの調査を、フリーターの女友達ナオに依頼するのですが、
そのナオも調査対象に恋をしてしまうのです。


そこで勃発する恋のバトル!
といっても主にガン飛ばすだけ。


恋愛ドラマとは視線についてのドラマともいえましょう。


ナオと皆川のバトルも視線でのバトルです。
ナオは不貞腐れたような、それでいて世界の全てを敵に回しても怖くない、
といった不敵な視線を皆川に送ります。

サユリへ贈る視線は憧れと手の届かぬ存在への哀しみをこめて送ります。


皆川はカメラでの盗撮や、尾行、覗き見、と視線を通しての
所有を目指すのですが、結局そこでは満足を得られない。
そこで一歩踏み出すけれど、噛み合わない…。
あくまで一方通行な恋なのです。バカバカしく情けなく、せつない。


その女性も何やら弟と怪しげな関係をもっていそうで一筋縄ではいかないのです。
この女性を演じた街田しおんさんもたいそう美しくまた妖しい。
素敵なお姉さま的な存在で、ナオが惹かれるのもわかる魅力的な方なのです。


と、ここまで書くとオフビートなラブコメディにしか見えないのですが、
実はこの映画、どういうスタンスで人生と向き合うか、についての映画でもあります。


変態皆川もフリーターナオも、退屈な世界に、彼らなりの方法で戦いを挑んでいるようです。
皆川も、彼がひどく滑稽に見えるのは彼がひどく真面目だからなのです。
ナオも、白旗あげずにファイティングポーズをとるような子です。
かっこいいっす。


青空へすこーんと吸い込まれるファウルボールのような、すっとぼけたラストも楽しいですよ。
この監督の作品もっと見てみたい!

二人でミニーちゃんのぬいぐるみを手にしながら、こんな会話をしてました。

ミニーちゃんのスカートをめくって、パンツを丸出しにしながら、


う「ちんちんないのにおしっこどうするの」

か「あるでしょ、ちんちん」

う「ないよ、これ、しっぽよー」

か「あ、そっかー、しっぽかー」

う「ちんちんないのにおしっこどうするの」

か「あれー?」

う「あれー?」


二人の疑問は尽きないようです。

質問の矛先がこちらに来ても、うまく答えられる自信、ナッシングです。