前回の①はこちら。

 

 

 

(①からの続き)

 

 

今日は前回紹介した子より、

少し歳が上の女の子について書きます。

 

 
 
 
【ピンクが大好きな女の子】
 
泣くことがあまりなくなる年頃の子ですが、
感情の起伏が激しく、
思い通りに物事が行かないと
癇癪を起こして泣き叫ぶことがあります。
 
ピンクの物が大好きで、
自分の持ち物以外でも
ピンクの物を選びたがります。
 
 
子どもたちがお茶を飲むためのコップは
様々な色の物があるのですが、
ベテランの職員は配る前に、子どもたちに
「出された物で飲んでください。
色を選ぶことはできません」
と言って、ケンカが起こらないように
先に釘を刺しておきます。
 
しかし、その女の子はそのルールが嫌いで、
どうしてもピンクのコップを
選びたがります。
 
もちろん、ピンク以外のコップを
差し出されたときは、
「ピンクがいいっ」と主張し、
それでも「これで飲んで」と言われると
大声で泣き叫びます。
 
一見、
わがままな行為と捉えられがちですが、
彼女の場合、自分の主張を何が何でも
通したいという性格なわけではなく、
感受性が人一倍強いことから
このようなことが起こるようです。
 
色や物の配置に敏感で、
自分の思っているものと違うと
心がザワザワして
落ち着かなくなるのかもしれません。
 
 
ですので、そういう時は、
そのコップを一度下げて
コップの保管場所に再び行き、
違う色のコップを持ってきます。
 
他の子たちが見ているので、
贔屓にならないように
コップはピンク色ではありません。
 
そのコップを渡そうとすると
はじめ、その女の子は
「いやだっ」と言いますが、
「ピンクのコップはもう無かったの。
全部使っちゃったみたい。
一生懸命探したんだけど。
ごめんね。これでいいかな」
と訴えると泣き止み、
「いいよ」と言って飲んでくれます。
 
他の子には通じない方法なので、
彼女の心が敏感で、
押しつけられたルールや
決まり事は苦手ですが、
他者の心の痛みが分かる子なんだなぁ、
といつも感じます。