2018年12月ロシア、モスクワ・サンクトペテルブルグ旅行その１６

　町中の風景に興奮しながら１時間ほど歩き、夕食で「ミーシャレストラン」に到着。

　熊のぬいぐるみ？が存在感大。

　地球の歩き方で「本物のビーフストロガノフを食べたいならここ」的な記述があったため、「どんなに高級でも一度本物を食わねば」と思い来店。ビーフストロガノフ、サリャンカ、ウハー、ヴァレニキを注文し早速味わってみると、

ビーフストロガノフはホワイトソースがベースで、牛肉と大量のキノコがクリーミーかつマイルドに仕上げられなかなかに美味い。よく日本では、デミグラスソースがベースのハヤシライスっぽいイメージだが全くの別物。

　サリャンカは大量のオリーブ切り落としと、やや酸味がかったスープのバランスが良く美味く、妻は「ボルシチより美味い」と絶賛。

　ウハーは魚介ベースのややコンソメスープ風味で、白身魚中心の具やスープのコクが大変に美味い、というかロシアのスープで最も美味いのはこれなのでは。

　ヴァレニキはニンニクと挽き肉の相性が良くてこれまた美味い。価格は少々高かったものの、日本で夜に外食するより全然安いし、日本でアレンジが加えられ、大変美味しくても原型を失ったビーフストロガノフを「ロシア料理は美味い」と勘違いして一生を過ごすより全然いい。隣のテーブルでロシアツアーを引率していたクラブツーリズムの女性ガイドさんと雑談し、ロシア情報を引き出した後、大満足で店を出る。

　店を出てホテルまで歩くが、待ちの灯りや造形が凄すぎて、シャッターを押しまくり前になかなか進まない。その中で大変気に入ったのがこれ。

　橋の欄干に建つ像だが、この気合いの入った造形が美術館でなく、誰でも触れて何気なく通り過ぎる橋の欄干にあるのだ。

　昨日に続き、通りすがりにアリョンカのショップを発見し、明日サンクトを発つ前に、ある程度お土産を買っておこうということに。アリョンカ製品だけでなく、他製品もロシアらしさ溢れ、選ぶのが大変楽しい。お菓子の銘柄によっては１０～２０％近い値引きもあり、ロシアのおばちゃん店員も親切で、ついつい板チョコを中心に１５００円ほど突っ込んでしまう。たかが１５００円と思われるだろうが、板チョコ２０枚近く買ってるのだから、結構な大人買いである。
　大量のお土産を抱え２１時前にホテルに戻る。明日のサンクトペテルブルグ出発に備え風呂でも入ろうかと思いつつ、今日の道中を振り返る。タイヤキで日本人というだけでチヤホヤしてくれて、抹茶キットカット程度で大喜びしてくれて嬉しかった話などしていると、まだバッグの中に日本菓子があることを思い出す。もうロシア旅行も終盤で、お土産をたくさん買って帰るために、日本から持ってきた非常食代わりのお菓子も処分しないといけない。というわけで店じまい寸前に徒歩５分少々のタイヤキへダッシュ。
　タイヤキに到着すると、昼に応対してくれた店員の子達が、鉄板に油を引くなど後始末の最中。ドアを開けた瞬間、「昼に来た日本人夫婦がなんでまた？」というような表情を浮かべ、こちらはスマホの翻訳アプリを起動。
　さやた「これは日本から持ってきたお菓子です。あなた方にプレゼントします」と表示し、せんべいや抹茶チョコなど数袋を手渡し。その瞬間、足パタパタさせて喜ぶ様子に
かわいいなあ、もう！
と再び思う。
　サンクトペテルブルグにはほとんど無い日本料理店で働く以上、彼女たちはそれなりに日本が好きで、日本の味に多少なりとも好意を持っているはず。昼来た時に「日本には行ったことがありますか？」と聞いたら、誰も言ったことがないと言う。確かに、この若さで日本に行く旅費は厳しいだろうし、日本の食べ物を輸入するにも送料が大変だろうし、経済制裁下のロシアで手に入る日本製品は多くないだろう。なら、わざわざ飛行機１１時間と新幹線４時間かけてサンクトペテルブルグまで来て、日本人である自分達が日本でいつでも手に入るせんべいを食べるより、もしかしたら一生食べる機会がないかもしれない彼女達にプレゼントしたいと思ったわけだが、予想以上の喜びぶりが本当に嬉しかった。
　翻訳アプリに「サンクトペテルブルグにはもう一度来ますので、必ず店に寄ります」と打ち、改めてホテルへ戻る。風呂上がりのクワスとモルスに癒され、眠りについた。

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