「君ももうこのポストが長いので、いつかは動いてもらわなくてはならない。しかし俺にも君にもプライドがあるからな。婆さん(田中真紀子外相)の言うなりにはならない。君自身人事について何か希望はあるか」(野上事務次官)

 

「私は組織人です。組織が決めたことに従うだけです。私個人の希望はありません。国益のために私をどう使ったらいいか組織が考えることです。ただし、私にはプライドはありません」(佐藤優分析官)

 

「いや、俺たち外務省員のプライドが大切なのだ。田中大臣なんかに負けられない」(野上)

 

「その点について私は意見が違います。プライドは人の目を曇らせます。基準は国益です」(佐藤)

 

 

 

もう一か月位前でしょうか、NHKクローズアップ現代で、佐藤優氏は桑子真帆アナにインタビューを受けていました。

そして私は佐藤氏の著作「埼玉県立浦和高校」を読みました。

この二つで佐藤氏の考え方、彼の本当の愛国心からくる「日本の国益」を一番に考えるということに強く共感したのです。

冒頭の佐藤氏と野上事務次官との会話は、「国家の罠」(佐藤優著)に出てきます。

ここに彼の基本的ポリシーが表れているのです。

 

 

佐藤氏は「背任罪」「偽計業務妨害」の罪をきせられで服役しました。

しかし明らかに冤罪です。

国家のことを一番考えている一人が、何者かの罠にはめられたのです。

この本には国家のことを思う、鈴木宗男氏、東郷和彦局長、飯野政秀氏(三井物産)など多くの人が登場します。

しかしこの国は、一瞬でそういった優秀な人材を葬り去ってしまうのです。

どこを向いて仕事をしているんだ、と叫びたいような気持ちになってしまいます。