速水流八代目宗匠が、先日のお茶会でして下さった
“見える世界と見えない世界のつなぎ目”のお話です。
「“れい”という言葉から、みなさんはどんな漢字を思い浮かべますか?
“霊”とか“礼”とか様々な漢字がありますね。
私見ですが、“れい”という音には
見えないものを表す何かが隠れているように思うのです。
お茶の世界というと礼儀作法にうるさい世界と
一般的に思われているかも知れません。
確かに茶道には、お作法がありその形を覚えることが必要です。
しかしそれ以上に大切なものは「礼」する心、敬いの気持ちです。
何を敬うのかというと、お茶席に会して下さるお客様のお心。
お道具に刻まれた作り手の思いや、使い手の記憶。
縁して集まられた方々と過ごす有り難いひと時。
そんな見えないものを、見える作法で礼するのが茶道です。
数字の0を、「ゼロ」と言う人も多いですが
日本語では本来「零(れい)」と発音します。
西洋文化において、ゼロの向こう側はマイナスですが
日本の「零(れい)」の向こう側には
見えない無限の世界が広がっているのです。」
「れい」は“見える世界と、見えない世界のつなぎ目”
日本では、見える世界と見えない世界あわせてひとつの「世界」。
見える世界=物質社会だけでは、人は行き詰まってしまいます。
見えない世界=精神社会だけでは、地に足がつきません。
見える世界、見えない世界合わせた倍の世界の方が
問題解決方法も、幸福感も、豊かさも倍あるということを
昔から日本人は知っていたんですね。
神社や仏閣、昔から続くお祭りなども
“見える世界と見えない世界のつなぎ目”かも。
日常の中にある“見える世界と見えない世界のつなぎ目”、
たくさん感じていきたいな~と思った、宗匠のお話でした。
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❖七十二候 第二十四候 小満末候❖
麦秋至[むぎのときいたる]
(5/31~6/4)
秋にまかれ、冬を越した麦の穂が実るころを示す
「麦秋(ばくしゅう)」は夏の季語。
初夏の眩い陽光に麦畑がきらめき、爽やかな風に金色の穂が揺らぎます。
季節の魚介 きす
「海のアユ」とも呼ばれる美しいお魚・きす。
柔らかで上品な味の白身は、塩焼きや刺身、
天ぷらやフライなどに適しています。