「先生は王様なの?私は奴隷になりたくない」


今年の春4年生になる娘が、1年生の時に私に言った。この言葉が私の世界を広げるきっかけになるとは、その時は思いもしなかった。



娘は幼稚園児の頃から、言い出したら聞かない性格だった。どんなに寒くても上着を着ない。どんなに説得しても自分がこうと決めたら梃子でも動かない。親にとっては扱いづらいが、意思の強い子。


この娘が小学校に通い始め、少しずつ少しずつ、違和感を感じ始めた。


「どうして(学校では)先生が言うことしか勉強してはいけないの?私が勉強したいことはできないの?」

しきりに私に聞いてきて、私は答えに困った。そのような事を考えた事がなかったからだ。


「あなたは凄いね、そんな風に考えられるんだね」感心するばかりだった。


娘は幼稚園児の頃から、何故か人体に興味があり、人体に関する本を読み漁っていた。ある日私の姉が娘に、

「体の中のこと教えて」

と言うと娘はスラスラと何も見ずに、体の中の内臓の絵を描き上げ、驚いた姉が私に写メを送ってくれた。


子どもって凄い‼️何も言わなくても、何かをさせようとしなくても、自分で興味を持つと自分から進んで学ぶんだということを目の当たりにした。


この子は大丈夫、そんな気持ちが芽生えた出来事だった。


思えば娘は5歳の時、将来の夢は看護師さんと言っていた。幼稚園児といえば「プリキュアになりたい❣️」という子が周りにたくさんいる中、娘は現実的だなと思った。


そんな娘が学校に対する疑問を持ち始めることは、自然なことだったのかもしれない。


何も教えなくても、スラスラと絵本を読み、漢字がある本も読んでいた娘にとって、毎日毎日、同じ物語を読んだり、書いたり。もうわかってるのに、何故、何度も何度も書かなくてはいけないのか…


なんとなく、そんな事に気づいた1年生の終わり頃、私は2年生の漢字ドリルの2年生で習う予定の漢字一覧表を娘に見せ、「読める漢字を教えて」と聞くと、3分の2程の漢字に○がついた。


そっか、娘にとって授業はつまらないのかもしれない、そんな風に感じたのだった。



つづく