「地層断面前」からバスに乗って「波浮見晴台」で降りると、写真で何度も見た港の深い青が円の形に広がっていました。見晴台の標識と「アンコ椿は恋の花」の歌碑。幾度も歌や小説の舞台となった歴史のある、どこか寂しげな小さな港町。
でもここからの景色は、おそらく人を惹きつける魅力を持っているようです。何か想像する力が湧いてきて、物語が頭の中に広がる気がしてくる。

「アンコ椿は恋の花」は、昭和 39年に都はるみさんが歌ってミリオンセラーとなった曲。島の言葉でお姉さんを表す「アンコさん」の悲しい恋の物語。それが伊豆大島に来たときのフェリー乗り場で流れていて、初めてここがその場所だと知りました。更に川端康成さんの小説「伊豆の踊り子」の一座が住んでいたのが波浮港。一座はここから伊豆半島に渡って、旅芸人として生計をたてていました。

帰りのバス時間が心配なので、急ぎ足で歩道を進んで旧甚の丸邸前の「踊子坂」階段を下って行くと、ちょっとずつ近づいてきた海が目の前に開ける。すると一座が芸を披露していた「旧港屋旅館」が待っていました。今は踊り子の里資料館「みなとや」として無料で公開されているこの建物は、他の家より一段高い踊子坂の階段途中にあって、内廊下や庭先からは海を望むことができます。
玄関でスリッパに履き替えて建物の歴史、6回も映画化された「伊豆の踊り子」の写真や現物の台本を見る。昔のままの部屋や灯りが保存されていて、そこには一座やお客さんのマネキンなどが配置され、当時を偲ばせてくれました。


12時30分、すぐそばにある「港鮨」さんに入って「地魚の鮨」と「べっこう鮨」をいただく。食に興味の薄い僕にしては珍しく、ここでこのお鮨を食べるのが今回の最大の目的でした。
お店の方がお鮨の魚を一つ一つ説明してくれましたが、食べたくて覚えてられない。そして口に入れるとあまりに美味しすぎて、ほっぺが落ち・・・た。

13時09分のバスで火山博物館「ジオノス」へ。三つの小さな島に海底火山の噴火による堆積物が覆いかぶさって、今の形になったという大島の歴史をしっかり学び、予定を全部こなして元町港に戻る。

もうじき咲く、この島を象徴するたくさんの椿に囲まれた美しく穏やかで、どこか懐かしい場所。やっと今年も来れた、とてもとても楽しい旅でした。

この時期、バスの運行本数が少ないためにある程度の決まったプランしか作れないかも知れませんが、参考までにこの日の僕のプランを添付します。

(この日のプラン)
熱海港 9:10 → 9:55 元町港(東海汽船)

元町港 10:30 → 10:44 地層断面前(バス)
地層断面前   11:24   →   11:45   波浮見晴台(バス)

徒歩で踊子坂、みなとや、港鮨、波浮港散策

波浮港 13:09 → 13:35 ジオノス(バス)
ジオノス 14:15 → 14:19 元町港(バス)

島の牛乳を使ったアイスクリームを食べ、コーヒーをテイクアウトし、お土産を買う

元町港 15:30 → 16:15 熱海港(東海汽船)
熱海港 16:20 → 16:30 熱海駅(タクシー)
(熱海駅行きのバスが 16:15発で間に合わない為)

※港鮨さんは火曜日定休。この時期、元町港のお土産屋さんは木曜日定休が多いです

※岡田港が出帆港だった場合は、岡田港から元町港へのバス移動(17分程度)が必要になります

※土日祝のジェット船は、熱海港を出帆後に伊東港に寄るために、このプランよりも乗船時間が片道 20分多くかかります

※上記の路線バス時間は、2026年2月1日までのものです

波浮港の案内図
波浮港見晴台
「アンコ椿は恋の花」の歌碑
踊子坂
旧港屋旅館さん
映画「伊豆の踊り子」山口百恵さんと三浦友和さん
旧港屋旅館さん
旧港屋旅館さん
港鮨さんの地魚の鮨とべっこう鮨。(左真ん中)名物のべっこう鮨は一貫から注文できます
波浮の町
波浮港に向かう大島バスさん
火山博物館ジオノスさん
火山博物館ジオノスさん
火山博物館ジオノスさん
ジオノスさんの「アンコさんおしごとカルタ」