数年前の秋に青森に帰省しました。
東北新幹線の「七戸十和田駅」まで弟に迎えにきてもらい、そのまま八甲田山へドライブ。
中腹の「城ヶ倉大橋」からの紅葉は見事のひと言。何しろ 360度だけでなく、橋の下やぐるりと見上げる周りの山まですべてが絹織物の錦のように染まっていた。空を除いたすべてが立体的な紅葉。
何年か前の JR東日本さんのポスターの
「橋ができるまで、この絶景を知っていたのは森の鳥たちだけでした」を思い出しました。
しばらく見とれていると登山の格好をした一人の男性が、冬の大雪で有名な「酸ヶ湯温泉」のほうから歩いてきました。
その男性で気になったのが腕を組んで歩いていたことです。弟に聞いてみると、体力を温存する歩きかたとのこと。体幹がしっかりしていてバランスの良いベテランの登山家の歩き方の一つだそうで、他にはズボンの前ポケットに手の親指だけ入れることもあるとのことでした。
長い距離を歩くと腕を振るだけで消耗するので、それを防ぐためにやっているそうです。
そんなことをすっかり忘れていた僕は、去年始めたばかり山歩きで、富士山の静岡県側の富士宮口から宝永山に、昨年 9月13日に一人で登りました。
山開きの期間は終わっていましたが、富士宮登山口だけは 、六合目の「宝永山荘」さん横のトイレから先が入山禁止で、宝永山方面は、積雪などがなければ 10月末ぐらいまで登ることができます。
宝永第一火口底から宝永山方面に登り始めた最後の急なザレ道。一歩進むと足元の砂や小石が崩れて少し戻される。また一歩進むと戻される。
空気が薄い中で体力がどんどん奪われていく蟻地獄みたいな登山道。初級者向けと書かれていたこの山は、僕程度のレベルじゃ難しいと思って立ちすくんでいたところ、ポケットのスマホに着信があった。
弟からの電話で
「ちゃんとストック使ってる? 使わないと宝永山はかなり辛いよ」
山をナメてた僕は、事前にそのアドバイスを受けていたにもかかわらず、まだストック(トレッキングポール)を買っていませんでした。





