もう傘寿。
そして、独居老人。
まぁ、分相応、率直に生きてきた。
それが正直な感想。
今なら、何でも出来る。
でも、もうやる気も、あまり起こらない。
強いて何かが欲しいわけでもない。
若いあの時、もっと高みを目指していて、資金を必要とした。
結構大胆、必死に青春を生きているのにお金が着いて来ない。
若い頃の金銭感覚は、常に欠乏。
ない中をやり繰り次第、あそこまで思い詰めなくても、いいものいを・・・。
もう少し続行して、その先を見届けてみたかった冒険もある。
宵越しの金・・、とは、粋にいかない。
時節到来、気運も迫っている。仲間は急かす。
自己投資といえども、ない袖は振れぬ。
夢を見るにも自己資金は必要だ。
元々、危険を厭わず、東京に集まった仲間たちである。
気持ちはよく分かる。自分がそうであったから。
意気投合。皆、若い。自分も若い。一蓮托生、運命を共に・・。
アバンチュール。
それは危険な、火遊びだ!!
田舎に残した両親が居る。家督を譲る兄弟がいない。
石橋を叩いて渡る。
仲間たちには、そう見えたのだろう。
すべては、自己責任。その人生の貸し借り対照表。
田舎の百姓仕事、自力で未来を見定めている両親を、
背くわけにはいかない。
先ずは、自己資金づくり。
労働収入と、
労働外収入。
二足の草鞋。本業とサイドビジネス、表の仕事と裏稼業、資産とその投資運用。言い訳はどのようでもいい。
年月を掛けてやれば、資金作りはできる。
出来上がった頃には、もう当時の仲間たちはいない。
貯まった、貯まった!!
と、思った頃には、もう身がすり減っている。
まるで、大根おろし、みたいだ。(笑)