富嶽百景 (4) | 10go9

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約八十年ほど前に、書かれた作品。

『富嶽百景』

太宰治の書く、その御坂峠の、天下茶屋。

長く、遠い夢だった。その走馬燈がフラッシュバックし、回ってる。

 

 

何? トランプ? ・・アメリカ大統領選が、・・どうした?

ここは河口湖畔の、朝の宿。

寝床の相方が、うざい! (笑)

朝食は二階の大広間で、七時半から、

トヨタレンタカー・富士河口湖店の開業が、九時から。

あああぁ!

また、開放された、スッポンポン。

相方を放置して、あの七階の展望風呂にでも行くか! (笑)

 

 

朝食の二階、大広間、すぐ目の前に河口湖があって、絶景。

そして美味しかった。

早々に売店で土産物を買う相方を、また放置して、

外に出て、一人散歩に出た。

等間隔に植えられた並木の、紅葉が美しく映える。

旅館のすぐ前に一段低い駐車場。そして湖面の、船着き場のようなところに下りたら、

船津浜、とある。

 

 

船津?

はてな? 船津? どこかで、聞き覚えのある地名。

そういえば・・・、

 

十月末になると、山の紅葉も黒ずみ・・、遊覧の客もなく・・、おかみさんが、六つになる男の子を連れて、峠のふもとの船津、吉田に買い物に出かけていって・・、

 

と、太宰の書く『富嶽百景』に書く、その、船津か?

 

いつか花嫁姿のお客が、紋付き着けた爺さんふたりに付き添われて、自動車に乗ってやって来てーーー峠の向こう側から、反対の船津か、吉田のまちへ嫁入りするのであろうが・・、

 

と、そして、また、 『富嶽百景』の中に出てくる、その、船津なのか?

 

 

そう思った時、ある感銘が過ぎった。

名前と、写真だけで、会ったこともなく、その実像も知らないし、時代もちがう。

その太宰治と、心で通じ合える。

時空を越え、時を経て心酔し、読むってことは、

そういうことなのか? 

 

  

もう一つ、気になっていたことを、思い出した。

すっかり記憶の果てに、消失していたはずなのに、・・・・。

突然蘇ってきた、

『富士五湖めぐり定期観光バス』

第2富士1号 昭和47年1月2日 於河口湖、とある、

たしかに自分も写っている、古い団体記念写真。

 

 

遊覧船の停まってる、その船着き場。

かつて太宰治の『富嶽百景』に心酔した、青春の一人旅。

はてな?

・・船津・・?

そうとも知らず、時空を経て、

自分は今、宿を出でて、

もしかして、

今またここに、その同じ現場に、立っているのではないか、と・・。

 

 

戦慄が走った。

時空を越えて、生きているということは、

いのちの、呼び戻しというか?

人生って、奴は・・。

そして、読むってことは、

こういうことなのか?