危険な遊びをする仲間は増えていった
最終的に7~8人。
あまり危険な事をして先生に見つかるとやっかいなので用心したが、だんだん物足りなくなりリアリティを求めるようになる…
あったのだ。
うちの実家の庭に二階建ての物置が!!!
庭の雪を寄せて山になった所から登れるし、反対側にまわればかなりの高さを稼げる。
その物置の屋根で殺陣の真似をし、敵が落ちる…更にその敵を追って飛び込む仮面ライダー!!!
あ、これは小学生の仮面ライダー撮影ごっこなのです…

面白いもので、受身や着地の衝撃を逃がす方法などいつのまにか覚えていくのです
もしお子さんにアクションやらせたい親御さんがいたら、早く何か始めたほうがいいかもしれません
あまり難しい説明はできませんが、理屈やら方法・果てには教本が必要になる前のほうが体で覚えていきます。
それがある程度の年齢になると身長も伸び、跳ぶ高さは一緒でも目の位置が高くなり恐怖心が強くなります。

《1恐怖心→2体を守る為学習→3実践→4失敗→1恐怖心》
というサイクルになります
僕は15の時に事務所に入って「やってみて痛かったらやりかたを変えてみろ!」と教えられましたが、やっぱり恐怖心でなかなか進めませんでした…

小学生の僕らの様な無茶はオススメしませんが、安全管理のしっかりした体操教室などで恐怖心が薄いうちから始めた方が有利です。
今では子供にアクションを教えるスクールもあるみたいです…話が大幅に逸れましたスンマセン。

しかし何回かやっていると無茶する奴がいます、ある日二階の屋根から跳んだ奴がいたのです。
僕らが普段跳ぶのは一階の屋根、二階の屋根から跳ぶのはマットが無いと無理だと思っていました…が、大バカのK君。
僕らは一階の屋根に上り話していました。叫び声と共に逆光の中、彼の影が僕らの頭の上を飛び越えた時、誰もが思ったはず…だ、だって6mくらいあるんですよ
『この庭で死者が出る!!!』

[雪遊び中に屋根から落ち10歳児死亡]の新聞記事…

恐る恐る屋根から下を覗くと足を押さえて痛がるK君…
着地の勢いで転がったためにショックが和らいだのです
そして学習しました『着地の衝撃は転がれば和らげることができる』
そして二階の屋根に挑戦した奴はこのスタントマンごっこにおいて一流スタントマンの称号を得たのでした
そしてK君は次の日普通に登校し休み時間サッカーをしていました。





幼稚園の休み時間はサンバルカンごっこ…
いや、正確に言うとサンバルカン撮影ごっこをしていた、カメラマンや監督がいるのだ。冷めていたのか、T君が本気でカメラマンを目指していたのかは今となってはわからない…
小学校に上がるとだんだんヒーロー番組を観る奴も居なくなり、毎週ひっそりと戦隊ものを観る日々…
その頃からぼんやりと「アクションやる人になりたいなぁ」と思っていた
小学校高学年、冬のある日校庭のスキー山にいた。今観たらものすごく小さいんだろうけど、あの頃は高く見えた…3階建ての建物くらいかな?
雪中サッカーや「デカい雪の塊をひたすら投げる」などわけわからない遊びをしてスキー山に登った僕ら、誰が言い出したか覚えていないが雪の塊を指さして『この雪が爆発したとして、誰が一番派手に吹っ飛ぶかやってみよう!!』A君は???マークだらけの顔
何かから解放されたかのようにドカンドカン言いながら転がりまわるオレ、そしてM君
調子に乗った僕らは『崖』と呼ばれる絶叫ポイントからも跳んだ
休み時間が終わるチャイムが鳴り満足した僕らは教室に戻る
オレ『…スタントマンとかなりたいなぁ』
M君『オレ、アクションクラブに入りたいんだよ』
いたんだなぁ他にもこういう人、M君は4つか5つ上の兄さんがいたからオレと同じような状況でヒーローの裏側を知ったのだろう。

M君と仲良くなり更にオレらはエスカレートしていった…

ヒーローが好きだった、いや…今でも好きだな
幼稚園くらいからか、デパートの屋上・子供の国・スーパーの催事場etcタダで見られるようなとこだけどね…
よくキャラクターショーに連れて行ってもらった。
父は忙くて海外出張も多いため、撮影会やサイン会の列に並ぶのを嫌い、ショーを見終えると速攻帰宅というのがいつものコース。
それが、ある日サンバルカンショーの後ついに列に並んでくれた、うれしくてうれしくて…
でも高まる緊張!
遂にシャークとパンサーとの写真撮影、しかし何か違和感が…
こわばった表情で写真を撮りイーグルにサインを書いて貰うもやはり違和感…
カッコイイ!
でもおかしい…
うれしい!お父さんありがとう
でも…なんだろ?

ステージに揃うサンバルカン
MC『サンバルカンこれからも地球の平和をよろしくね!』
イーグル『OK!みんなまたあおうぜ!!!』

気づいてしまった
衣装がTVより少しチープな作りだったのだ
『お父さん今日のサンバルカン本物??服の線が違うよ』
あまりにしつこいオレに父は全部教えてくれた
TVとの違い・アクションマン俗に言うS.Aの存在
変な感じだった、サンバルカンは確かに格好良かったしすげぇ技で敵を倒した…
TVに出てるサンバルカンでは無いけど、ここに居るぼくらにとっては本物なんだ!なぜかそう思い納得して変な子供は帰路についた


これがはじまり、きっかけだったのかも知れない
…そして10数年後この時のイーグルとシャークと仕事をする事になるとは…