青森の旅 10:黒石 1 こみせ通り | 旅中毒

旅中毒

バックパックと少しのお金とパスポートがあればいい。行けば行くほど行きたい場所が増え、人生狂って後悔なし!

翌日、飯塚旅館を出立。この日もどうせ温湯温泉に戻ってくるので、荷物を次の宿に預けていこうかと思案。でもむしろそれが面倒くさく感じられて、背負ったまま黒石に行きました。どうせ大して重くもない。

 

黒石では駅前の観光案内所でレンタサイクルも借りることができます。ちょっと考えたけど、こみせ通りで自転車を停めておく場所は、などと考えているうちに面倒になり、歩いていくことにしました。

 

駅の近くで見かけた印象的な看板。サハリン…書体が怖くない?

 

最初に出てきた古い建物は黒石市消防団第三分団第三消防部屯所です。大正13年(1924年)の建築。 唐破風の屋根を持つ火の見櫓が印象的ね。櫓は鉄板で覆われていて、中に半鐘があり、四面がガラス張り。最初はバルコニーが付いていたそうだけど、昭和3年に消防車(自動車)が配備された際に1階が増改築されて取り払われたんだって。自動車の前は右下の写真にあるようなポンプを運んでいた。

 

 

この駐屯所、今も現役なんだよ。黒石にはこういう駐屯所がいくつか残っているんだ。現役だけに、中の見学はできませんが。この消防車は、現役で使われている中で日本で一番古いものの一つだって。


さて、いよいよこみせ通りにやってきました。

 

軒先がこのようにアーケードになっているの。藩政時代からのものなんだって。雪国特有の工夫。黒石のあちこちにあるけど、特にここは集中して残っているし、保存状態が良いのだとか。

 

 

この↑黒石小学校ってのは、ここに学校があるわけではなく、子供たちの将来の夢をこの↓ように展示しているからです。消防士や警察官やYouTuberに交じって、個性的な回答もありました。

 

 

この中町のこみせ通りには、創業210年を超える造り酒屋や240年を超える商店、蔵などが並んでいて、中を見学できるのです!

 

 

………できるのです……?

 

 

誰もいない……。

 

 

開店時間になってもどこも開かない…。これはどうしたことだろうかと戸惑っておりましたら、やっと人影が。近づいていったら、ローカルガイドの方でした。黒石では事前予約でローカルガイドに案内をお願いできるのです。この方は他の観光客の予約で待機している人でした。で、教えてくれたことにはですね、お盆だから造り酒屋も蔵も全部お休みだって。(て話している間にお土産屋さんだけは開きました)

 

今日は丸一日、黒石のために取っておいたのですが…… 私、何しに来たんでしょうか…。

 

旧市街は大好きだけど、黒石の旧市街はこの通りの一画だけみたいなもん。いくら私でも丸一日使うほどの規模とは言えない。いっそのこと弘前に遊びに行って来ようかな? 電車で30分で行けるんだし…。とも思いましたが、ローカルガイドの方が、今日もお土産屋さんで三味線の演奏があるし庭園も開いているし、楽しみはたくさんありますよと薦めてくださいましたので、やっぱり黒石で過ごすことに。

 

三味線ライブが始まるまでの時間つぶしに、まずは松の湯交流館に行ってみました。昔のお風呂屋さんを利用した、地元民と観光客の交流館なんだって。観光案内所やカフェ、談話室などがあります。

 

カランが並んでいたところはPCが使えるスペースに。椅子は風呂椅子です。

 

ここは観光客向けの新しい店を、古風な外観で作ってあるらしい。全部閉まってるけど。

 

とりあえず端っこまで行ったら、奥にこんなスペースがあるのがわかりまして。気持ちの良い場所なので少し休憩することにして、八戸で買った文庫本を読んでおりましたら、眠くなってきた…。ので、ベンチにあおむけになってちょっとだけ寝ました。ああ、こういうのもいいね…。あれを見たい、これを見たいと飛び回るのもいいけど、こうしてのんびりしてさ。真夏なのに涼しいこの場所でね…。

 

さて、津軽三味線ライブの時間になりましたので、お土産屋さんに。この中でライブがあるの。食事もできる店で、ステージがあるんだ。

 

演奏者はこのお方。

 

この日演奏してくれたのは、全国大会で優勝するようなお師匠様。いつもだったら一番弟子さんが演奏しているそうですが、この日はたまたま先生がいらしたので、演奏してくださったらしい! 何という幸運! もちろん一番弟子さんでも素晴らしかったとは思いますが、お師匠様の演奏は、三味線のことなど何も知らない私でさえ鳥肌が立つようなものだったのです。すごかった!

 

この日に来て、私、むしろ大ラッキーだったのでは…?