以前に勤めていた会社で、社員の半数ほどがよく言っていた言葉がありました。
「社長はキチガイだし、こんなひどい会社もないと思うけど、社員は皆本当に良い人ばかりですよね。みんな本当に仲が良いですし」
実際の話、そこは、私のろくでもない転職人生の中でも一番ろくでもない会社でありました。そこまでひどいのは社長ひとりでしたが、ワンマン会社なので、全体的にろくでもない会社になってしまうのです。その分、社員の団結力はありましたが。
…そうです。
別に、社員が良い人ばかりなわけではないのです。単に、団結していたのです。
共通の大きな敵 (社長) がいるので、皆が嫌悪や怒りや恨みや不満などのネガティブな気持ちを分かち合えていただけのことでした。それがわかっている人もいたし、わかっていない人もいた。
一ヶ月に社員の一割が辞めていく会社でしたので、仲のいい者同士の飲み会はあっという間にOB会になってしまったのですが、結局、段々に集まらなくなりました。気が合うわけじゃなかったからです。
私が今でも付き合っているのは、当時は特に親しくしていなかった他部署の人です。あの人とは波長が合う。仕事の上で分かち合えるものがあると言うことと、単純に人間同士として気が合うと言うことは、違うのですね。
さて。
私、今の直属の上司とはあまり折り合いが良くありませんが、ここ1週間ほどは、珍しいほどにいさかいがない。理由がおわかりでしょうか。 共通の大きな敵がいるからです。
まあ、普段からいるんですけどね、その敵の人。今は特に問題を起こしまくってくれてまして。おかげさまで、直属の上司と私の怒りや苛立ちが、内容も矛先も同一であると言う珍しい状態になっております。意外にこの方が良いのかもしれん。もうすぐこの仕事終わるから、すぐに元通りになりそうではありますが。
イライラしてると心身の健康に差し障りますので、心温まる話も。
今やってるのは、東日本大震災の被災地へ送る救援物資の仕分けや配送手配です。…こんなに大変なんですね。
で、いい話。
追加で買って来なきゃいけないものがありまして、買いだしに行きました。買ったものの内容や数量から察したのか、お店の人が話しかけてきました。
「被災地へ送るんですか?」
「はい、救援物資です」
「ありがとうございます、ご苦労様です」
そして、品物を渡してくれる時には 「よろしくお願いしますね」。
また、荷物を運ぶのに台車が足りなくなって、清掃事務所に借りに行った時。既に1台借りていたし、長い時間借りたいとお願いしたので、清掃会社の社長さんも困った様子。
「う~ん・・・。そんなに、何に使うの?」
「被災地に救援物資を送るんです」
「ああ~、それ言われたら貸さんわけにいかんがな~(笑) 緊急やしなあ」
苦笑いしながら貸してくれました。
それ以来、借りに行くと 「緊急!」 と言いながら手を振ってくれます。
では、お仕事に戻ります。