メディナを歩いていると、よくこんな声を掛けられます。
「パノラマ?」
要するに、建物の屋上のテラスから、メディナを一望したくないかい?
というお誘いです。
もちろん、商売人たちが見ず知らずの旅行者に
親切でそんなことを言ってくるわけがありません。
パノラマを楽しんだ後には押し売りが待っています。
あるいは、見物料をよこせと言われるのです。
と予め聞き及んでおりましたが、パノラマって見たいよね・・・。
と言うわけで、あるおっさんから 「パノラマ?」 と声をかけられた時に、
こっちからも訊きました。
「いくら?」
「そんなの、無料だよ!お金なんて要らないよ!」
言うたな。
聞いたぞ。
まあ、チップくらいは渡すつもりですが。
ごちゃごちゃした場所の狭い暗い店なら
入らずに逃げようと考えつつ着いて行きますと、
割りと開けた道に面した、とても大きな開放的なお店。
ここなら閉じ込められることもないよね。
絶叫して助けを求めたら逃げ出せる。
一階は・・・・・・絨毯屋(笑)
こりゃ最後はかなり強引に来るだろう、強気で振り切らねば。
途中の階には、唐突に天蓋付きのベッドなんて置いてあったりする。
おっさんが、昔は王様がここに住んでいたんだとか何とか言ってる。
あとで案内してやると言うけど、興味ない。
ウソ臭いし、時間がもったいないし、何より、
そんなもんに付き合ったら押し売りのカモになるも同然だ。
さて屋上に上がりますと、何人もの観光客がいます。
皆、引っかけられて連れてこられてるのね(笑)
これだけの人数がいれば心強い。
来て良かったな~と思える、素敵なパノラマ。
なんですけど、おっさんがうざい。
ずーっと横にぴったりとくっついて、ずーっと話しかけてくる。
英語がわからないふりをしていたけど、気にしないで(てかたぶん信じてない)
話しかけ続ける。
彼にとっては、私に物を売りつけるためのリサーチ。
あっちも仕事ですからね。どこから来たんだ、名前はなんていうんだ、誰と一緒に来たんだ、
チュニジアは初めてなのか、いつ着いたんだ、何日ここにいるんだ、
どこを観光するつもりなんだ、どこに泊っているんだ、どこで食事をしているんだ、
あの建物が何か知っているか、あそこに連れて行ってやろうか、
日本人の友達が欲しいんだ、俺の友達は日本に行っているんだ、
うるさい・・・(笑)
「悪いけど、私、1人でゆっくり景色を楽しみたいの。
1人にしてくれる?」
と、わざとたどたどしい英語で訴えてみる。
しかし、なぜか、言葉が弱い=気も弱いと思う人もいるのよね。
言葉が堪能な側がまくし立てたら、
堪能じゃない側が怯んで (あるいは面倒くさくなって)
言うことを聞くと思いこんでいる人がいるんですよ。
後から考えると、このおっさんもそういう図式を頭に持っていたようです。
たどたどしく喋ったのは逆効果だったかもしれない。
「もちろんだよ、ゆっくりして」
と引き下がった10秒後にまた横にくっついてべらべら話しかけ続ける。
これが繰り返されること3回。
無視して違う方向を向くと、その方向に首を伸ばして顔を突っ込んでくる。
たぶんね、私をカモれる相手と踏んでたんだと思います。
女性で、一人旅で、着いたばかりで、言葉ができなくて、気が弱い。
押しまくって一度YESと言わせれば後は言いなりになると。
私が無視していたら、最初に仲良くなるのは諦めたらしく、
直接的な話が始まりました。
「天然の花の香水に興味はある?」
「ない」
「銀製品には?」
「ない」
「民族衣装には?」
「ない」
「伝統的なアクセサリーには?」
「ない」
「絨毯には?」
「ない」
「じゃあ、俺に何か贈り物をくれ」
「いやだ」
「こんないい景色を見ただろう」
「あんた無料って言ったじゃん」
「無料だよ。でも贈り物をくれ」
「無料なんだから何もあげない」
「じゃあ今すぐ出ていけ」
「ありがとう、そうするわ」
押し売り攻勢で脱出に苦労するだろうと思っていたのに、
出してくれると言うのだからありがたい(笑)
10分くらい景色を堪能していたし、写真も撮らせてもらったし、
もうここに用はないのだ。
出て行く私におっさんはついてきました。
「せっかく王のベッドや素晴らしいものを見せてやると言っているのに」
とか言い続けているけどガン無視。
おっさん、絨毯屋にいた人たちに荒々しい口調で何か言っていたから、
「この女はダメだった」 とか言ってたのかも。
で、外に出て私が適当に歩きだしたら、まだついてくる。
真横よりちょっと前に出る感じで、心持ち私の進路妨害をすることで
自分の行きたい方角に誘導しながら
「贈り物をくれ」
「いやだ」
「お前は嫌な奴だ」
「知ってる」
おっさんが行く方向に私は興味がないので、
地図を見ながら別の方角に脚を向けたら、
そっちは行き止まりだと言いながらまたついてくる。
「贈り物をくれ」
「いやだ」
「お前は本当に嫌な奴だ」
「よく知ってる」
でもさほどしつこくはなく、3分くらいで諦めて帰っていきました。
モロッコやエジプト、インド等に比べると
チュニジアは楽だと聞いていましたが、
なるほどね。
あっさりしたもんです。
まあ確かに私は嫌な奴ですよ。
金を落とす気なんてさらさらないのに、
金を落とさせる気でいる奴の商売に
それとわかった上で乗っかって、
ちゃっかりパノラマだけ楽しむつもりで行ったわけですから。
チップも払わなかったし(笑)
でも、ゆっくり景色を楽しませてくれたら、チップは渡してましたよ。
1~2ディナールくらい、入場料がわりにね。
そんなはした金ででおっさんが納得したとは思わないけど、
一応チップくらいは渡すものだと思うし。
でも、こっちが嫌だと言っていることをやり続けて
「いい思いをさせてやった代金をよこせ」 と言われても、
払う気になれないんですよね。
この類のことは、あちこちで経験してます。
よくありますでしょ。
こっちは、楽しませてもらったら対価を払う気でいる。
後払いのつもりなんです。
特にサービスに関しては、満足のいくものだったかどうかで
払うかどうか、あるいはいくら払うかを決める。
あっちは、楽しみたければまずは金を払え、
少なくとも払う確約をしろと迫る。
前払いなんですよね。
さらに、その楽しみの内容にしても、こちらの意向は汲まない。
オーダーメイドではなくセットメニュー。
アレンジにも応じません。
たとえチャーターしても同じことです。
チャーターした相手も出せるものはセットメニューだけ。
チャーターは、彼らを一定の時間拘束すると言う意味でしかない。
どっちが悪いと言うより、やり方の違いでしょうね。
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