美瑛にて、ミステリー その4 | 旅中毒

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バックパックと少しのお金とパスポートがあればいい。行けば行くほど行きたい場所が増え、人生狂って後悔なし!

美瑛にて、ミステリー その1その2その3  からのつづき



腹ごしらえも済み、写真もたっぷり堪能した私は、

スタッフさんたちにお礼を言って拓真館を後にしました。


その後も楽しく丘の間をさまよううちに美馬牛駅に辿り着きました。


北の旭川と南の富良野を結ぶ富良野線。

朝に発った美瑛駅の一つ南に美馬牛駅があります。


美馬牛駅は小さな無人駅。


旅中毒 ―かくて卑しき道を―-美馬牛駅


誰もいない小さな待合室の壁に、新聞が貼ってありました。

記事には、お正月に行った成人式でお祝いしてもらった

新成人の若者たちの写真が掲載されていました。


なるほど、ここら辺の子は進学するにも就職するにも

よそに行っちゃうことが多いのでしょう。

成人の日には帰ってこれないから

里帰りして顔が揃うお正月に郷土の成人式をやっちゃうんですね。





さて、





私は最終的には富良野に南下していきたかったのですが、

まずは旭川行きに乗って美瑛まで北上し、

美瑛駅に放置している荷物を取ってこなくちゃいけません。


次の富良野行きはほぼ1時間後。

1時間あれば、線路を歩いて美瑛まで行って

富良野行きに間に合うんじゃないかという気もしました。


が、電車は狭いところも通ります。

この写真の奥のように、両脇に雑木林が迫っていたり。

旅中毒 ―かくて卑しき道を―-富良野線2


時刻表には載っていなくても、貨物列車が通る可能性はありますよね。

私は避けられるでしょうけれど、

予期しないものを見た運転手は驚いて怖い思いをするかもしれない。



と言うわけで、大人しくホームの端っこに座って

脚をぶらぶらさせながら旭川行きの電車を待っておりました。




そこに、白人の高校生か大学生くらいの男の子がやってきました。

外国の若者にも人気だよ、美瑛の丘は!


「次の富良野行きの電車はいつ出ますか」


上手な日本語で聞かれまして、

ポケット時刻表を見せながら時間を教えてあげると、

彼は丁寧にお礼を言ってどっかに行っちゃいました。


駅でじっと待ってるよりは丘のきれいに見えるポイントかどこかで

時間をつぶす方が楽しいかもしれませんからね。





そうこうしているうちに旭川行きが来たので乗り込みました。





美瑛駅に着いて、駅舎にダッシュ。

荷物は何事もなく朝のまま駅の隅っこに置いてありました。

売店のおばちゃんになんとなく挨拶して、

富良野方面行きホームへダッシュ。


と言うのも、


私を乗せた旭川行きが美瑛駅に到する時刻と、

取って返して私が乗りたい富良野行きが美瑛駅を出発する時刻の間に、

4分あることがわかっていたからです。


その時間差を利用して私は無事に荷物を引き取り、

富良野方面行きに乗ってUターンすることができました。





電車と言うと一番前が全部運転室になっているものを想像しますが、

富良野線の電車は、路面電車のように、

一番前の半分だけしか運転席として隔離されておらず、

右半分は客室として使われておりました。


私はもちろん見晴らしのいい一番前に立ちました。

電車の中からでもこんな風に正面の景色を楽しめます。
旅中毒 ―かくて卑しき道を―-富良野線


さて電車は美馬牛駅へ戻ってきました。


さっき私に時刻を聞いた男の子はちゃんと戻ってきていて、

入ってくる電車を眺めております。


プラットホームに立つ彼と電車の中の私の目が合いました。

そして彼は




「ああっ!?」




というような驚愕の表情を浮かべました。




彼はあの4分を知らないのだから無理もない。

と言うより私の行動を知らんのですが。


同じ美馬牛駅で待っていたはずの私が

(たとえ彼とは違って旭川に行ってしまったとしても)

なぜ電車に乗って美馬牛駅に向かってくるのか、

とっさには理解できなかったのだと思います。



定時性にかけては世界最高峰を誇る日本の鉄道ならではの

時刻表トリック。



電車の中で彼と話をしたわけではないので

彼がこのからくりに気付いたかどうか知りませんが、

たとえ気づいたとしても、

短い間はミステリーを楽しんでくれたものと思います。



おしまい


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