東宝怪獣造形記 2018年
宇宙怪獣キングギドラ編




【2018年(平成30年)春】

いままで怪獣を作成して来た手法はポリエチレンフォームにエナメルの生地を貼り付けて仕上げるというやり方でしたが、もう一つポリウレタンを使用したやり方があることを知人にを教えてもらい、宇宙怪獣キングギドラの頭部を作成してみたのでありました。


「デパートメントH」をご存知でしょうか?それは毎月第一土曜日の深夜、鶯谷の東京キネマ倶楽部で行われているパーティーのこと。

その主催者であるゴッホ今泉氏は札幌の高校時代の同級生で、良く怪獣の話しをしていた仲間で、上京した後も時々連絡を取り合っていました。

そのゴッホ氏の家に遊びに行った際、コスプレ工房に仲間が作ったというスポンジで作った造形物があり興味を持ちました。作り方を教えて欲しいとお願いすると、詳しい人がいると言われて連れて行ってもらったのが中野にある「大怪獣サロン」。ここはデパートメントHにも参加している映画監督の中野貴雄さんがプロデュースするお店です。

そのお店で中野監督の奥様に教えていただいた方法はポリウレタンによる造形方法で、いわゆるお皿を洗うスポンジを使用したものです。ウレタン素材は例によって浅草橋の佐々木商店で購入しました。

教えていただいた方法で試しにキングギドラの角を作成してみます。まずウレタン素材にマジックで下書きをします。

カッターナイフの刃は薄くて切れ味の良い「黒刃
」を使用してウレタンを裁断します。

接着剤としてコニシのGボンドをウレタンの上面と下面に塗布し乾燥させます。

接着剤の乾燥を確認した後、ウレタンの上面の中央部分を押し潰し、カドとカドを順々に貼り合わせて行きます。

下面も同様に貼り合わせると断面が丸い形が出来上がります。

再びGボンドを表面全体に塗布し乾燥させます。

表面はラテックス(ゴムの樹液を加工したもの)に絵の具を混ぜたものを塗布して仕上げます。

色は金色にしてみます。ラテックスの色は白いので絵の具を混ぜた時は白で薄めた色になりますが、乾燥するともとの色となります。

乾燥と塗布を数回繰り返して金色の角が完成。光沢を出したい時は専用の艶出し剤を塗布します。

これは高校時代に買っていた朝日ソノラマの季刊「宇宙船」というSF関係を扱った雑誌。

その中のスーパーラボというコーナーに開田裕治氏が構成、作図されたキングギドラの回があり。

キングギドラの頭部を横から、上から、正面から見た図を設計図にしてウレタン造形を行ってみました。

完成したキングギドラ。中に手を入れて口がパクパク出来る様にしてあります。初めてウレタンで作る手法を試してみましたが、ポリエチレンフォームで作成する方法に比べるとはるかに簡単で、短期間で出来て良い手法だと思います。

話しは代わり、キングジョーを置かせてもらったお店のママの同級生で「ザラ夫」というあだ名の人がいて、何故「ザラ夫」というのかを問うと「ザラブ星人に似てるから。」とのことでした。一度お会いしたいと思い、ママと3人で新橋の「怪獣酒場」に飲みに行き、ジャミラの真実の口の前で記念撮影をしました。左が自分で右がザラ夫君。ザラブ星人に似てるかどうかは?

そのザラ夫君の為にウレタン造形で作ったザラブ星人。現在はキングギドラの頭部と共に馴染みのお店で待機中です。

昨年、北海道の南富良野町で農業ボランティアをしていた際、滞在先の子供達と一緒に作った野菜達もウレタン造形によるものでした。

以上