アンパンマントロッコが震災地の支援で東北・常磐方面に出張してくるそうです。徳島の御大から撮って来てと依頼がありましたが回送も含めて情報収集しないとです。JR四・東・貨物各社共通のリリースによるとELやDL牽引もあるそうです。185系が運転出来る要員が限られるのか?
運転要員と言えば関東ではニュースにならなくて最近知ったんですが1月16日深夜、本四備讃線でマリンライナーが立ち往生して救出に6時間かかったとの事です。原因は塩害による屋上の絶縁不良だそうです。EF81やED75-700は当初から塩害対策を施されていますが、考えてみれば本四備讃線も塩害が考慮されてしかるべき線区ですね。
もう一つの問題は救出に時間が掛かりすぎです。ネットではDE10-1139が救出に「駆けつけた」そうですが運転士の手配に手間取ったんだとか連結の交換に時間が掛かった・・・等の噂が出ています。青函トンネルでは非常時の救出用にDE10×2と控え車を常駐させてると読んだことがあります。今回DE10は両頭連結器に交換したのか、あるいは間に控え車を挟んだのか不明です。事故車が停車したのが「高架橋」と書いてありましたから海上ではなかったようです。これが備讃瀬戸大橋なんかの上で長時間電気も空調も止まったままだと大問題になっていたでしょう。これを機会に塩害対策と救出体制が整備されると良いんですが。
定点観測的に今日撮った梅です。先週とあまり変わりません。
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先日、亡父が購読していた1970年代の世界の艦船を整理していて裏表紙に内海航路の宣伝がありました。
当時の世界の艦船の裏表紙はだいたい三菱重工(モノクロ)でしたが稀にそれ以外もありました。それは別記事で紹介するとして、確か南海四国ラインの宣伝も見たことがあったなぁと探しまくったら何と鉄ピクの裏表紙でした。
これです。他にももっと違うのがあったように記憶してますが見当たりません。
表紙はこちら。1968(昭和43)年11月号です。趣味誌に地域限定の宣伝をする効果がわかりません。
難波-和歌山港間は11001系特急「四国」号、航路は既にフェリーも投入されています。小松島港からは高知へ直通する国鉄の急行。
ところでこの南海の四国連絡特急は「四国」号だと思っていましたが今回古い切符を確認すると「あわ」号というのもありました。当時高徳線には「阿波」がありましたが漢字とかなで棲み分けていたようです。小生は高校生の頃で亡父が乗った切符だと思います。
小松島港-高知間急行というと以前紹介済みですが「いしづち」と併結の「阿佐」ですね。
南海四国ラインは大阪-高知最速を自慢していた記憶があるんで確かめることにしました。残念ながら小生が持っている時刻表は’69年5月号でした。
列車名はよしの川に変わってますが時刻は先の宣伝と同じようです。
小松島線をアップで。よく見ると宣伝とは少し時間が違っています。この時刻表が44年春の改正後ですからね。7:08発の高松行きがあったのに今頃気付きました。何度も言ってますが小松島港発の列車番号は奇数(下り列車)ですがこの列車だけは高松起点の高徳線に合わせ偶数になっています。
南海汽船。上の方には共正や共同汽船もありますが共同汽船は既に関西汽船とのフェリー運航に移行してるようでかちどき橋のたもとから出ていた大阪航路は休止中となっています。
南海。四国連絡より南紀直通の方が目立ちます。この頃はキハ55と同型の自社気動車を国鉄急行に併結させて直通していました。昔は自社線では付随車扱いの車両を国鉄客車列車に併結させていたそうです。
大阪-高知間の比較となると関西汽船に大阪-高知航路がありました。
2隻でデイリーサービス、かなり需要があったんでしょうね。深夜の淡路沖ですれ違うダイヤのようです。
関西汽船は大阪-小松島航路も運行していて南海四国ラインと競っていました。昼行便の他に夜行も一往復、フェリーが増えてきていましたが純粋な客船もまだまだ瀬戸内海を走り回っていました。
国鉄を忘れてはいけません。時刻表の初めの方にある連絡時刻表では新幹線が岡山開業前なので徳島は相手になりませんが高知・松山には夜行便も含め多数揃っています。
南海四国ラインと関汽・小松島航路利用時の大阪→高知の連絡時刻表です。見辛くて恐縮ですが難波9:55の接続が一番早くて所要は7時間23分です。
右側は関西汽船の小松島航路で南海より海上部分が長い分だけ時間が掛かっています。天保山8:20発の昼行便で所要8時間58分。小松島港からの接続列車は南海の最速連絡と同じ池田から土佐2号に併結されるよしの川4号です。接続列車を目指して5分差で入港するのがスゴイです。
国鉄と汽船各社の連携も良くて各便毎に接続列車がちゃんと用意されています。宇高や青函のように国鉄直営航路は当たり前ですが少なくともマル連印のある所は配慮が行き届いていて公共交通の王者であった国鉄の貫禄を感じます。
よしの川が池田から乗り換えなしで高知まで直通しており急行料金も一列車分で済むようになっています。
こちらはその国鉄利用の連絡時刻と右端が関西汽船・高知航路です。
大阪14:35発の急行鷲羽7号からの連絡を最速の7時間33分としています。時間だけなら左の特急うずしお2号から始まる連絡が30分以上早いんですが特別料金が必要な列車を含めるのは航路も特二等くらいにしないと時間でもそれ程優位性が無いので不公平となると外しました。
関汽の直行航路は室戸岬を大廻りして行くこともあり時間は倍近く掛かりますが乗換なしと運賃の安さが魅力だったんだと思います。
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比較をする基準を「早くて安い」にしました。流行りの費用対効果が高い連絡はどれかということです。
所要時間の順は南海、7時間23分>国鉄・宇高航路経由、7時間33分(急行利用)>関汽・小松島航路経由、8時間58分>関汽・高知航路、13時間30分となります。海上部分が短いほど早いですね。
一方、運賃の順は国鉄、1,880円>南海、1,620円>関汽・小松島航路、1,510円>関汽・高知航路、920円。各運賃は二等利用、国鉄部分には急行料金を含みます。所要時間と逆で航路が長いほど安い。
分かりにくいので指数化して表にしました。
結果はご覧のように関汽・高知航路が時間は掛かるものの運賃の安さで大きく稼いで一位となりました。実際には13時間以上も船に揺られるのを敬遠する人もかなりいたんではないかと思います。夜行で日中が有効利用出来るのも利点ですがもう2~3時間早かったらなぁ。南海は一番バランスの取れた連絡ですし、速さだけなら国鉄を僅差で押さえトップ(但し国鉄の特急利用には負けますが)。
国鉄も健闘しています、関汽・小松島航路利用はやっぱり高いんでしょうね。ただ船は関西汽船が一番良いと父が言ってました。
この頃は小松島港駅ホームの直ぐ裏が南海汽船・関西汽船が着く岸壁になっていて、それこそ目と鼻の先で船車連絡が行われていました。小生も子供の頃、ほんの数回大阪の親戚に連れられて行くときに小松島航路を利用していますが徳島-小松島間はバスでしたね。
参考に現行の連絡時刻表を作ってみました。
南海は四国側の港が小松島から徳島に代わりJRダイヤは接続を全く考慮してない作りです。難波~和歌山港~四国側港の間は昔と変わりません。徳島線各停の鈍足を南風の振り子が補って総所要時間は40年以上前とほとんど変わりません。
JR←国鉄は新幹線+振り子特急で往年の半分くらいに短縮。但し運賃+料金は比較になりません。
現行最強は何と言っても高速バスですね。まさに「早くて安い」の典型でしょう。
次回は同時期の大阪-徳島間を比較してみます。