こんばんは、



 

昔からある建設業・製造業・卸売業・不動産業といった業種が担当のほとんどで長引く不況の中、粗利益・営業利益・経常利益・最終利益はしっかり取って結果を出している顧問先様が勤務時代は多かったです。開業してからの顧問先様は飲食店・SE会社・小売業・不動産業といった業種がほとんどで特に粗利益率が高い印象があります。

 

粗利益とはご存じの通り「売上高ー仕入高」の算式で算出される売上総利益のことです。一般に自分が見る限り20世紀型ビジネスの粗利益目標は25%が多い印象でした。すなわち売上100%・仕入75%の割合です。

当然の如く仕入れないことには売りが立たないわけだから借入してでも仕入れ代金をまず支払い、数ヵ月後に売りが立つロジックです。

P/L上粗利益25%達成しているかに見えても手元資金25%残っているわけではなく次の仕入れ代金や借入返済、人件費他固定経費を賄いきれるとも限らないので資金不足になれば次の借入をするといった具合になり、これがいわゆる「自転車操業」になりがちなパターンです。

 


 

 

今お付き合いしてもらっている顧問先様全員とまではいきませんが、この粗利益率が50-100%のゾーンにある方々が多い印象です。

自分はじめ他の税理士の会計事務所の粗利益率ゾーンもこの範囲に入っていると思います。

 


 

 

ではこの粗利益率は高いほうがいいのかどうすれば上がっていくのか自分なりの見解で申し上げさせてもらいます。

 


 

 

【粗利益率は高いほうがいいのか】

粗利益25%でいくと営業利益約5%、経常・最終利益約2,3%(ひどい場合1%を切る)といったP/Lに大体なります。

以前のブログで当期末借入金残高÷税引後最終利益=返済可能年数を掲載しましたが、この税引後最終利益が0コンマ幾つにでもなってしまうと返済可能年数が天文学的数字になり、融資を受けられなくなるか受けられても高額な金利を付与されてしまうケースがほとんどです。

先に申した粗利益50-100%ゾーンの業種で考えると固定経費になりがちな人件費はじめ太い固定費があるかないかの左右はあるものの営業利益約30%、経常・最終利益約10-25%といったP/Lに大体なります。

 


 

 

【粗利益率はどうすれば上がっていくのか】

粗利益が高い業種に特徴的なのが「頭・工夫」を使ったアイディアビジネスです。すなわち世間一般の相場は決められていく中、プラスアルファのサービスで価格付与したり、作業手間を省く代わりに顧客のセルフサービスでのご理解を得つつ、数をこなしていったりすることができるからです。

粗利益率が一定以上に上がらない業種に特徴的なのが指定の材料を仕入れて加工して一定利益付与するわけですが、それが必要以上に付与できない、付与したら売れないといった問題が出てくるのではないでしょうか。

比較的粗利益率が高くない業種が粗利益を上げていき、21世紀で一年でも長く繁栄できるとしたら以下の課題を検討してみることではないでしょうか。

①既存在庫・棚卸状況を見直し、最低限の仕入れを行うよう心がける

②少額仕入・高粗利益になる商品仕入れを検討してみる

③少額仕入商品はキチンと在庫管理することはもとよりあまり人手がかからないで自動受注・自動発送に近いシステムも構築する

といった具合です。

 




 

 

さまざまな事情があると思いますが、共に頑張りましょう!