「taka・・・・そう、takaよ。」
初めて聞いたその名前の響きはとっても彼に合っていると
彼女は思った。
「ねぇ、何かもっと唄ってくれる?」
彼女はtakaの横に腰を掛けた。
そして日が暮れるまでその歌声は続いていた。
「シャワー浴びてもいいかな?」
「ええ、もちろん。着替えはおいておくわ」
彼がシャワーを浴びている間、
彼女はさっきまでの歌声に酔いしれていた。
彼はきっと歌を唄って生計を立てていたんだわ。
有名なのかしら?
調べればわかるかしら?
彼女の家にはテレビやパソコンといったものは無かった。
あるのはラジオだけだった。
今はまだいい。
いろいろ考えるのは辞めよう。
シャワーから出てきた彼の黒髪からは
まだ水がしたたり落ちていた。
そしてソファにまたゴロンと横になった。
「あ、あの。ベッドで寝てもいいのよ」
「え?」
「ほら、ベッド大きいし、その・・・」
「ああ、僕たち、恋人どうしだったんだね、ごめん」
「いえ、いいの、疲れちゃうでしょ、ソファ」
「ありがとう」
彼女は高揚する顔を見られないように
さりげなく後ろを向きベッドルームへ導いた。
「あの、明日また、聞かせてね。歌」
彼は優しく微笑み頷くとベッドの中へ潜り込んだ。
