そこには少し前の私がいた
どうしても話したくなって
声を掛けた
私の声が届かないのは分かっている
でも、居ても立ってもいられない
なんなら駆け寄って抱きしめたいくらい心が震えた
誰にも分からない気持ち
硬い殻に閉じこもって自分を守る
どんな言葉も私には届かない
その中で渦巻く黒い感情
涙は勝手に落ちてくる
このまま消えて無くなりたい
そこには少し前の私がいた
何人も…何人も…
どうして悲しみが繰り返されていくんだろう…
ただ寄り添うことしかできないけれど
一人ではない
ということだけでも届けたかった
携帯の中の自分の居場所で
いつも叫んでいた
泣いていた
私はそうして生きてきた
そして今の私がある
光が見えない「今」かもしれない
でもいつか…
あの子に会うための「今」だとしたら……
少し生きる勇気が持てた
今は届かないこの声も
きっといつか
あなたからの声となる時が来るんだと思う
この数年でシミもシワも一気に増えた
私は生きてたんだ
怖いものは
もうないと思っている