国立新美術館で開催中の「ルーブル美術館展 ルネサンス」でこれは、と思う作品、ジャンボローニャの原作に基づく(18世紀)《小像「ヘラクレスとアンタイオス》ルーブル美術館蔵 の主観レビューをお届けします。
本作は、ヘラクレスが大地から生命力を得る巨人アンタイオスを地面から持ち上げ、締め付けて倒そうとする場面を表しています。
アンタイオスは苦痛に顔を歪めながら左手をヘラクレスの頭に置き、身体をねじって必死に逃れようとしています。
二人の身体は多くの斜線と交差によって構成され、静的なポーズではなく、格闘の激しい運動を感じさせます。
また、アンタイオスの苦悶する表情や身体のねじれには、古代彫刻《ラオコーン》に見られる劇的な身体表現との共通性が認められ、ジャンボローニャが古代彫刻を研究したこととの関連も指摘できます。
したがって本作では、英雄の肉体的な力だけでなく、敗北しつつある者の苦痛や抵抗といった感情までも、身体の動きによって表現されていると考えられます。
