東京藝術大学大学美術館で開催中の「藝大式美術の″ミカタ″ーこの夏、藝大生になるー」展でこれは、と思う作品、浅井忠(1890)《収穫》東京藝術大学蔵 の主観レビューをお届けします。
画面では、農民たちが収穫した稲を脱穀しています。
右下から伸びる農具の柄によって視線は農民へと導かれ、周囲の木々や背後に干された稲などの画面内の線も、農民へ視線を集める役割を果たしています。
人物だけ見ると、画面左側に3人、右側に1人が配置されているため、左側に重心が偏っているように見えます。
しかし、右側には大きな木が立ち、右下には籠が大きく描かれることで、画面全体の重量感が調整され、構図に均衡が生まれています。
また、農民たちは身体を斜めに傾けており、静止した人物ではなく、実際に農作業をしている動きが感じられます。
さらに、人物同士の視線は交わらず、それぞれが下を向いて作業しているため、互いを意識することなく、収穫作業に集中しているような印象を受けます。
