埼玉県立近代美術館で開催中の「MOMASコレクション」展でこれは、と思う作品、《ミス ブランチ》の主観レビューをお届けします。
透明なアクリルの中に赤いバラが封じ込められています。
アクリルは直線的で角ばった無機質な素材である一方、バラは柔らかく勇気的で、まるで空中に浮遊しているかのように見えます。
また、脚は丸みを帯びたピンク色で、温かみや柔らかさを感じさせます。
しかし実際には金属でできており、触れると冷たい。
このように、無機質と勇気的なもの、硬さと柔らかさ、見た目の温かさと実際の冷たさといった対比が巧みに表現されている点が興味深い。
こうした相反する性質を一つの椅子の中に共存させることで、物質の重さや硬さを感じさせず、現実と幻想の境界が曖昧になるような「浮遊感」を生み出しています。
倉俣史朗(デザイン:1988、製作:2007)《ミス ブランチ》埼玉県立近代美術館

