温泉で、どこから来たの?と聞かれて 3 | 浪江のニガヨモギ

浪江のニガヨモギ

福島第一原発から10キロにある実家を離れ…

前々回からの続きです。

温泉で、素っ裸で

『避難民は月々10万円もらってムカつくーっ!』

って演説を始めたおばちゃんの気持ちもわからなくはないです。

なぜかというと、

そのおばちゃんは、

今は東京に住んでいるけど福島県の出身で

親戚が、警戒区域の周辺部に住んでいるらしい、

でも親戚の家は警戒区域の外だから

慰謝料は出ない・・・

その差は何なんだ!線なんか引くことないじゃないか!

という主旨の話だったから。




でもね

そのおばちゃんの演説が

有無を言わせない迫力だったので、

その演説中にまた、2人のおばちゃんがあがって行ってしまい

ちょっと残念でした。

あがっていった2人は浪江のことを聞きたそうだったから。



最高の雰囲気の、歴史ある秘湯の風呂場で

リラックスしてなんとなく浪江のことを話す・・・

なかなか得難いシチュエーションです。



銭湯は社交場と言われますが

男湯の場合はなんというか、社会のしきたりの延長線上にあって

あんまり、リラックスして話す感じではないです。

裸の付き合いですけど

心は裸じゃないような気がします



でも今回の温泉は

高ーい天井の木組みの建物だったので

コンサートホールみたいに音響がいいし(反響しない)

なんかね

下世話な話を下世話じゃなく話せそうな

いい雰囲気になりかけたんですよねー

性別を超えて。

あー、もったいなかった・・・



他方で、

そんないい温泉で、

浪江の話をする必要もないし

周りのお客さんに悪かったかなとも思います。



ま、とりあえず

『どこから来たの?』

と聞かれて、

『浪江』

と答えたらどうなるのか、

1つのサンプルが取れてよかったです。



ちなみに父は、

同年代の女性との裸の付き合いは

少し恥ずかしかったみたいで、

僕の後ろに隠れておりました。

いつもは、そんなたまじゃないんだけどな