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明晰さとは太陽に最も近い傷である。
定言命題のような一行。
「壁は語る」というフランスの五月の落書き集で出会った言葉が
詩人ルネ・シャールの一行だとは
長いこと知らないでいたな。
平野啓一郎の『マチネの終わりに』で再び出会うまで。
「すばらしい夜は、事実、まだ明けやらぬ夜明けと、現在のルネサ
ンス詩人ルネ・シャールという暁の人物の到来を告げている。」
(カミュ『不条理と反抗』)
暁の詩人ルネ・シャール
甦る一行
明晰さとは太陽に最も近い傷である。
レジスタンス下のアフォリズム詩集 『イプノスの綴り』169番。
続く178番で、隊長ルネ・シャールはこう謳う。
ラ・トゥールのマドレーヌ像のレプリカを、 自室の石灰の壁に貼って。
「対独協力拒否者は必ずドアを通り抜けながらこの蝋燭の証に目を燃え立たせた。(略)
人間存在との対話によってヒトラーの深い闇に打ち克ったジョルジュ・ド・ラ・トゥールに感謝する。」