ホンダ 上場来初の赤字!
ホンダ(本田技研工業)が2026年3月期に最大6,900億円の赤字の見通しを発表しました。2040年までに新車販売をすべてEV・FCV(燃料電池車)にするという目標に向けた先行投資が、トランプ政権の誕生で、EVの普及に逆風が吹いています。しかし、ホンダがつい1カ月前の2月10日に発表した26年3月期予想では、3000億円の最終黒字を見込んでいました。急転直下の巨額損失計上は、足元での環境変化というよりも、先送りにしていたEV損失の計上をこのタイミングで決断したようです。今回中止を決定したEV開発プロジェクトに投じてきた研究開発費などは、「無形資産」として資産計上していますが、関連する無形資産について、将来の収益が見込めなくなったため減損処理や費用の一括計上を行うようです。さらに、中国市場における競争激化を受け、中国の合弁会社(持分法適用会社)などにお金を出して事業を行う際、会計上は「投資」として資産に計上しますが、会計ルールでは、資産の価値が大幅に下がった場合、「回収できるか」を再計算します。回収出来ないと判断した場合には価値が減った分を「損失(減損)」としてとして帳簿から削ります。そして、開発中止に伴い、部品メーカーなどの仕入れ先に対して最大1.7兆円の補償金も支払う見込みです。これらに伴い、最大2兆5,000億円の損失が発生する見通しとなりました。今回の巨額赤字は、会計上の「評価損(減損)」と、実際に現金の流出を伴う「補償金」の二段構えであるため、キャッシュフローにも深刻な影響があるでしょう。手元資金(2025年3月末時点で約4兆円弱)がある程度厚いとはいえ、1.7兆円規模の現金流出は厳しく、不足分を補うための新規借入や社債発行、あるいは配当金の大幅な減額などが行われる可能性が高そうです!