前回の双子葉植物(子葉が2枚のグループ)の頂点が「キク科」であるのに対し、単子葉植物(子葉が1枚のグループ)の進化の頂点は「ラン科」とされています。
生物学における「進化の進んだ植物」とは、ただ強いということではなく、「特定の環境や生き物に合わせて、形や仕組みを最も特化させた植物」という意味を持ち、ラン科には以下のような、他の植物にはない驚くべき進化のポイントがあります。
ランの花は、特定の虫だけに花粉を運んでもらうために、非常に複雑でユニークな形をしています。
例えば、特定のハチのメスにそっくりな姿をしてオスを騙して引き寄せるランや、
特定のガの長いストロー(口)に合わせた長い管を持つランなどが存在します。
ラン科は世界中に約2万〜3万種もあると言われており、植物界の中でもキク科と並んで最大級の勢力を誇ります。それだけ地球上のあらゆる環境(熱帯のジャングルから高山まで)に合わせて姿を変え、生き残ることに成功した証拠です。
多くのランは、地面ではなく木や岩の表面にくっついて生きていく「着生植物」です。地面の上が他の植物との場所取り合戦で激戦区になったため、あえてライバルの少ない「空中」へ進出する進化を選びました。
ランの種は、風に乗ってどこまでも飛んでいけるように、目に見えないほど細かく(まるで埃のよう)なっています。
現代の科学(DNA分析)では、「すべての生き物は共通の祖先から同じ時間をかけて進化してきた」と考えられるため、厳密には「どれが一番偉い・進んでいる」という序列はありません。
しかし、「最も新しく地球に現れ、最も複雑で多様な生存戦略を獲得した」という意味において、ラン科が単子葉植物の進化の最高峰と言われるのは間違いないそうです!

