NHK Eテレの日曜日20時から「日曜美術館」という番組が再放送されています。


ほとんど見ることはありませんが、30日は鉄道写真家の広田尚敬を取りあげていたので録画して見ました。


広田 尚敬(ひろた なおたか)は、「鉄道写真の神様」や「レジェンド」と称され、戦後の日本における鉄道写真の地位をアートの域まで高めた第一人者の写真家です。 1935年生まれで、90歳を迎えた現在も現役で精力的に活動を続けています。



中学3年生の時に父親から譲り受けたカメラで本格的に撮影を開始。大学卒業後、会社員を経て1960年にフリーの写真家へ。


1968年の個展「蒸気機関車たち」で大反響を呼びました。当時の鉄道写真は車両を真横や斜めから形式通りに写す「記録・資料」としての側面が強かったのに対し、広田氏は風景に溶け込む姿や、動輪・煙を大胆に切り取るアートとしての表現を提示しました。これにより、独自の「広田調」と呼ばれるスタイルを確立。


C55が牽く旅客列車の疾走感と重厚さ、迫力を超スローシャッターで捉え話題となった作品(日豊本線・1973年)


驀進するD51の上部を捉え、激しく噴き上げる煙を超望遠レンズで撮影し、圧倒的な存在感を表現(室蘭本線・1975年)


1970年代〜1980年代に巻き起こった「SLブーム」や「ブルートレインブーム」の仕掛け人・牽引者として、日本中に鉄道写真の魅力を広めました。 


新幹線と富士山。ふたつの「日本一」を1枚に収め、海も川もない区間で、ある方法を使って逆さ富士を表現(東海道新幹線・1990年)


1980年代、一大ブームとなったブルートレイン。背景は流れるが列車は止まって見える「流し撮り」の技法(東北本線・1977年)


車両そのものだけでなく、鉄道に関わる「駅員や乗客などの人間模様」や「暮らしの風景」を温かい視点で写し出す点も特徴です。


1975年12月14日、室蘭本線でSLが牽く最後の旅客列車の乗務を終えて機関区へ戻る機関士の眼には涙が光っていた。悟られないようにタバコのせいにして涙を隠すタバコの煙


昼過ぎの工業地帯を行く川崎市電(神奈川県)。ひとりの女性にスポットを当て、車内に漂う生活感を捉えた(1959年)


電車を見つめる眼差しは、今も電車好きの子どもがそのまま大人になったように純粋で輝いていました!