お酒で日本列島をめぐる旅。35回目は徳島県
徳島は、県面積の8割を山地が占め、吉野川や那珂川といった水質の良さで知られる河川が何本も流れ、豊富な水源に恵まれています。また、晴れる日が多い瀬戸内川では、酒造好適米の栽培も盛んで、美味しい日本酒が育まれる土台になっています。
徳島県の代表的なお酒をいくつかご紹介
【三芳菊(みよしきく)】
「三芳菊」は、徳島県三好町池田町に蔵を構える、三芳菊酒造の銘柄酒です。その独創的な“三芳菊ワールド”をひと目見て感じ取れるのが、キュートでポップなデザインのラベルです。地元アーティストのイラストなどを使用したもので、レコードやCDを“ジャケット買い”するように、日本酒もワクワクしながら選んでほしいという蔵元の思いが体現されています。味はもちろん、原材料から仕込み方、ラベルに至るまで、日本酒にまつわる固定観念を捨てて酒造りに取り組む三芳菊酒造は、まさしく“ワイルドサイドを歩く蔵元”なのです。
【鳴門鯛(なるとたい)】
「鳴門鯛」は、まろみのある辛口のお酒。この銘柄には若き杜氏、松浦正治氏が求める理想の姿が表現されています。「ひとくち含むと、やわらかな香りと旨味がふくらみ、とろっと舌に絡みつく。しかもそれは一瞬にして爽やかに消えていく」 。機械では目指すものが造れないことから、麹造りは完全に手作業。古くから受け継がれてきた技を守り、あたり前のことをあたり前に行う酒造りを実践。アメリカなどで定番商品となっているのは、日本酒としては珍しいアルミ缶入りの「鳴門鯛 吟醸しぼりたて生原酒」。クールな見た目のアルミ缶と生原酒のフレッシュな味わいで人気を集め、現地では“namacan(生缶)”の愛称で親しまれています。2017年には、アメリカのSF映画の金字塔『ブレードランナー』の続編、『ブレードランナー 2049』に登場 したことでも話題となりました。
【御殿桜(ごてんさくら)】
「御殿桜」は、地元の徳島県産の原材料がふんだんに使われている、文字どおりの“地酒”です。「御殿桜 純米大吟醸酒」と「御殿桜 純米吟醸酒」には、水と米に加えてもうひとつ、徳島県生まれの原材料「LED夢酵母」が使われています。「LED夢酵母」とは、紫外線LED光を照射して性質を変化させた酵母のなかから、味や香りに特徴を持つ優良酵母を選抜して育てたもの。発酵力の高い「LED夢酵母」を使って仕込むと、香りがよく、さわやかな味に仕上がるという特徴があります。この酵母を使った「御殿桜 純米大吟醸酒」と「御殿桜 純米吟醸酒」は、「徳島県産の水と米だけで造った良質な純米地酒」を認定する「阿波十割」に選出されています。さらに純米大吟醸酒の方は、優れた県産品を認定する「とくしま特選ブランド」にも選ばれています。
【旭 若松(あさひわかまつ)】
「旭 若松」の蔵元、那賀酒造は、“米と水だけの酒造り”にこだわりを持っています。そのため「旭 若松」のラインナップは、醸造アルコールを添加していない純米酒のみ。純米酒の種類も「火入れ原酒」「火入れ加水」「生酒」の3種類に限られています。このこだわりの純米酒を、杜氏蔵元を務める松浦章裕氏と松浦氏の家族だけで、真心込めて造り続けています。那賀酒造が理想とする日本酒は、米の旨味が味わえる「力強くどっしりとした酒」。原料米の生産から丹念に酒造りを行い、長い年月で培われてきた経験をもとに、「旭 若松」の味を守り続けています。
【芳水(ほうすい)】
「芳水」は、純米大吟醸などの特定名称酒から、デイリーでたのしめる普通酒まで、さまざまな種類がラインナップされている銘柄です。蔵元の芳水酒造は、特定名称酒でも普通酒でも変わりなく、品質管理を徹底しています。そうした姿勢から生まれる「芳水」は、鑑評会やきき酒会、グルメ雑誌の企画などで高く評価されてきました。とくに全国新酒鑑評会では何度も入賞し、より優秀な酒に贈られる金賞も受賞しています。平成15年(2003年)の秋には『山峡の美禄 芳水純米大吟醸』が皇太子時代の現天皇陛下に献上され、名声を一層高めました。




