お酒で日本列島をめぐる旅。33回目は岡山県
岡山は、かつては吉備の国とよばれており、現存する日本最古の和歌集の「万葉集」にも「吉備の酒」が詠まれており、当時から愛飲されていたことがうかがえます。岡山の日本酒は、軽やかな飲み口と爽快な香り、そして豊かな旨味をもつ淡麗型を基本としつつ、全国各地の酒造技術が融合して、岡山の日本酒はバラエティ豊かなものになっています。
岡山県の代表的なお酒をいくつかご紹介
【酒一筋(さけひとすじ)】
「酒一筋」の造り手、利守(としもり)酒造は、岡山県赤磐市(あかいわし)で慶応4年(1868年)に創業した老舗蔵です。利守酒造が復活させた雄町は、“酒造好適米の王様”として知られる「山田錦」などの祖先にあたります。雄町で造る「酒一筋」は、米の旨味を活かした純米酒として人気を獲得。なかでも「純米大吟醸 赤磐雄町」は、全国新酒鑑評会での金賞を皮切りに数々の賞を獲得し、その品質の高さを全国に知らしめました。
【大典白菊(たいてんしらぎく)】
「大典白菊」は、明治創業の歴史を持つ岡山県高梁(たかはし)市の蔵元、白菊酒造の代表銘柄です。昭和47年に未曽有の災害に見舞われながら、近代的な酒蔵として再出発を果たすなど、波乱の歴史をたどってきました。「大典白菊」は、備中の酒の特徴である「旨口」の伝統を大切にして造られるお酒。原料米は地元・岡山県産のみにこだわり、蔵近くを流れる高梁川水系の支流・成羽川の清冽な伏流水を仕込み水に、備中杜氏の技で醸した、まさに“備中の地酒”です。
【燦然(さんぜん)】
その特徴ある酒名は、「数多(あまた)ある日本酒のなかで、一段と輝く素晴らしいお酒でありたい」との願いを込めて命名されたもの。「燦然」を醸す菊池酒造の酒蔵では、モーツァルトの音楽が流れています。これは、蔵元杜氏である菊池東氏の音楽家としての一面が現れたものです。蔵元杜氏が理想とする「旨味があってキレのよい」飲み口は、海外の人々からも称賛を集め、日本が誇る酒造りの文化を広く世界に発信すべく、海外市場の開拓にも積極的に取り組んでいます。
【竹林(ちくりん)】
「竹林」は、丸本酒造が自家栽培した「山田錦」を、竹林寺山(ちくりんじさん)からの伏流水で醸したお酒。日本最大級の反射望遠鏡を備えた国立天文台で知られる、標高366メートルのこの山が、「竹林」という銘柄の由来になっているのだとか。地元の水で自家栽培の米の旨味を活かした「竹林」は、味わいの異なる4種類のラインナップがあり、こだわりの米作りによって生み出されています。米の旨味をしっかりとかみしめながら味わいたいですね。
【嘉美心/神心(かみこころ)】
「嘉美心」や「神心」など、嘉美心酒造の酒造りには、「米旨口」の信念が貫かれています。
当時は戦後の混乱期で、米不足から「三倍醸造法」による甘口酒が流行するなかで、嘉美心酒造は増量のための調味料を用いず、米本来の味わいを引き出す「米旨口」と名づけた酒質をめざしました。以降、嘉美心酒造では、地元農家と協働して米作りから酒造りを行うなど、米の旨味にこだわった「旨口の日本酒造り」を実践し続けています。




