お酒で日本列島をめぐる旅。32回目は島根県
古事記の中では、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する際に、お酒を用いたとの記述もあり、古くから島根とお酒には密接な関係があったことがうかがえます。
そんな島根の日本酒は、ミネラルが少ない軟水によって、発酵が緩やかに進むため、柔らかな酒質になり、使われる島根酵母によるフルーティーな味わいが特徴です。
島根県の代表的なお酒をいくつかご紹介
【李白(りはく)】
「李白」は、出雲杜氏の技術を受け継ぐ島根県松江市の蔵元、李白酒造が醸す日本酒。「酒文化を普及し、正しく後世に継承する」という経営理念のもと、伝統的な酒造りを大切にする一方で、造り手の高齢化や後継者不足などの課題に対応するため、ITをはじめとした先端技術を積極的に導入。伝統と最新技術を融合させた酒造りで、さらなる高みをめざしています。現在、「李白」は香港、アメリカ、韓国、シンガポール、など幅広い地域に輸出されていて「李白」の穏やかな香りとふくよかな味わいは、食事との相性も抜群で、海外でも人気のお酒となっています。
【月山(がっさん)】
「月山」は、島根県安来(やすぎ)市で300年近い歴史を持つ老舗の蔵元、吉田酒造の代表銘柄。フレッシュでクリアな味わいで、初心者にも親しみやすい日本酒として、国内はもちろん海外でも高い人気を博しています。「月山」は、蔵元である吉田酒造が「日本酒好きはもちろん、これまで日本酒を試したことがない人や、これから日本酒を知りたいという人にこそ、味わってもらいたい」という想いを込めて生み出した日本酒です。その魅力は、米の旨味を活かしながらもクリアな飲み口。香りが華やかでキレがよく、フレッシュで飲み飽きないお酒です。
【出雲富士(いずもふじ)】
「出雲富士」造る富士酒造は、昭和14年に出雲平野の中心部、出雲市今市町に創業しました。この地は出雲大社のお膝元であるとともに、出雲神話にも伝えられるように古くから酒造りが盛んな地域で、奈良や兵庫と並んで“日本酒発祥の地”とも考えられています。北を日本海、南を中国山脈にはさまれた出雲は、山海の食材に恵まれた“食の宝庫”でもあり、「出雲富士」は四季折々の郷土料理とともにたのしむことを念頭に置いて造られています。なかでも魚介類との相性はバツグンで、まさに「人と食の良き縁を結ぶ」理想の食中酒と言えるでしょう。
【七冠馬(ななかんば)】
「七冠馬」は、創業300年の歴史を持つ奥出雲の老舗、簸上(ひかみ)清酒の代表銘柄です。日本の競馬界で「七冠馬」と言えば「シンボリルドルフ号」ですが、「七冠馬」はこの名馬にちなんだ酒。。シンボリルドルフを育てたシンボリ牧場は、簸上清酒と親戚関係にあり、その縁から命名したものだとか。「七冠馬」は、島根産「佐香錦(さかにしき)」をはじめ、厳選された酒造好適米を、奥出雲の清水と出雲杜氏の伝統の技で仕上げた日本酒。流星のごとく駆け抜けるシンボリルドルフ号をイメージして造られただけあって、辛口なのに口あたりがよく、ほのかな香りとキレのある旨味は、飲み手に鮮烈な印象を残します。
【死神(しにがみ)】
「死神」という名の島根県加茂福酒造の日本酒。恐ろしい名前に反し、クセになる味わいが魅力の年間わずか60石しか造られない貴重な酒です。「死神」が誕生したのは、今から20年ほど前のこと。当時の日本酒業界は淡麗辛口が主流でしたが、「あえて時流と真逆の日本酒を造ればおもしろいのでは」との“逆転の発想”から生まれた、芳醇旨口の純米酒です。日本酒の銘柄には、おめでたい言葉をつけるのが一般的ですが、流行の逆をいくお酒だけに、正反対のイメージの「死神」と名づけたのだとか。




