〝昆虫で世界を救いたい〟

熊本大出身の古賀勇太朗さん(28)

=宮崎県西都市=が、畜産飼料としての活用を目指し、高タンパクの昆虫「スーパーワーム」を販売する会社を立ち上げたという記事が熊日新聞に載ってました。


スーパーワームはゴミムシダマシ科の幼虫で、欧州などでは昆虫食として知られていて、同類種の「ミルワーム」よりも成育が格段に速いのが特徴で、商品化できる大きさになるまで6週間で育ち、4カ月かかるミルワームに比べて大幅に短いそうです。



世界では人口増加と新興国の経済成長で、2030年には食用のタンパク質が不足するとみられていて、飼料に使用されるトウモロコシや大豆の耕作地は、世界的に飽和状態となっている。古賀さんは生産効率の高いスーパーワームが飼料不足の解決に役立ち、食肉の安定供給を支える"救世主”になるとみています。


養殖したスーパーワームは乾燥、粉砕、搾油という工程を経て、残った粉末は魚の餌となります。また、抽出した脂肪分は「スーパーオイル」というバイオ燃料になり、糞も肥料に使うことができる。



肥料の原料高騰が進むなか、安価で栄養豊富な昆虫由来のたんぱく質は、市場を一新するのではないか。そんな古賀さんの推測を裏付けるかのように、スーパーワームには現在大手企業からの相談や引き合いも増えているそうです。


起業家の多くは東京にいて、アイデアがIT領域に偏りがちですが、古賀さんは起業家としての視点を持ちながら、畜産の盛んな西都市にいたことで『昆虫』という発想が生まれたんじゃないかなと思っているそうです。