お酒で日本列島をめぐる旅。9回目は栃木県。


栃木には、湧水・名水が数多くあります。

また、日本酒の雑味の原因ともなる”玄米たんぱく質”を低くした県オリジナルの酒造好適米の開発にも取り組んでいて、味わいの深さが魅力です。米本来の甘味や旨味を感じられる濃醇甘口な日本酒が多くあります。


栃木県の代表的なお酒をいくつかご紹介


【鳳凰美田(ほうおうびでん)】

「鳳凰美田」を造る小林酒造は、栃木県小山市にある小さな蔵元です。麹造りと搾りにこだわり、華麗で芳醇な風味を実現するとともに、一風変わった酵母を用いるなど革新的な酒造りが特徴。醸される酒はマスカットやメロンのようなフルーティな香りが特徴で、体にすっと溶け込む、寄り添うような酒質を基本としています。



【若駒(わかこま)】

「若駒」は、万延元年(1860年)創業という歴史をもつ若駒酒造の代表銘柄です。老舗蔵元の6代目が、蔵に眠っていた設備を復活させ、地元の米を使って仕込んだ日本酒が「若駒」です。歴史ある老舗の若い当主が蔵の伝統を重んじ、現代では少なくなった手法でていねいに醸す「若駒」。その実力は多方面で認められ、メディアでも取り上げられる注目銘柄です。



【姿(すがた)】

「姿」は栃木県栃木市に蔵を構える蔵元、飯沼銘醸が造る日本酒です。この蔵元は「杉並木」という代表銘柄で知られていますが、それとは別に、タンク1本だけで仕込み、無ろ過生原酒で出荷されるのが「姿」。その特徴は、酒袋から搾った日本酒を、ろ過や火入れ、加水をせずにフレッシュな状態で瓶詰めすること。原料はおもに、地元の契約農家が栽培した酒造好適米「山田錦」を使い、一部は自社栽培するほどのこだわりをもっています。



【旭興(きょくこう)】

「旭興」は、栃木県大田原市に蔵を構える渡邉酒造が、伝統的な酒造りの手法と先進の技術を融合させながら造る日本酒。知名度は全国レベルですが、県外に出荷されることがほとんどないため、多くの地酒ファンが現地を訪れるほどの注目銘柄です。渡邉酒造がめざすのは、派手な香りや味わいよりも、体にしっくりと馴染むような深みとキレのある日本酒です。その理念を象徴する「旭興」は、一度飲んだらとりこになる旨さと評判で、地元で圧倒的な人気を誇る日本酒として知られています。