先日、BS1「大台ヶ原山 幻の森林鉄道を探せ」を見ました。

森林鉄道は森林から生産される木材を搬出するために設けられた産業用鉄道です。

1960年代までは全国各地の林産地帯に大小さまざまな森林鉄道が建設されましたが、1970年代になると、自動車の発達と林道網の発達によりまたたくま間に山から消えていきました。

番組の中で特に興味深かったのは、大杉谷森林鉄道でした。


船津駅から大台ヶ原の近くまで総延長が25キロの路線です。昭和6年に開業し、船津駅の近くには木材の集積場がありました。
この鉄道はわずか25キロで900メートルも上がります。途中、急な斜面や谷があります。

線路跡があるのは一般の人は立ち入れない危険な場所で、今回は特別な許可を得て山岳ガイドと歩きます。
深い谷底まで切れ落ちるような崖、そこに幅1.8メートルほどの平らな路面が作られています。
しかし、しばらく行くと線路の跡が突然無くなりました。
ここから先はものすごい旧斜面で鉄道では登ることが出来ません。
それで、ここからは総延長893メートルのインクライン(ケーブルカー)という軌道作って、

途中に中間駅を作り2つのインクラインで運んでいました。

どうやって動かしていたかというと、ワイヤーが巻かれたドラムが二つあってお互いが連動しています。一方のトロッコに木材を載せ、その重さで下に下ろすと、もう片方のトロッコはワイヤーが巻き取られ上がっていくという仕組みです。


しかし、大杉谷森林鉄道はこれで終わりではありません。さらに鉄道は森の奥深くまで続いています。

深さ400メートルの大杉谷を越えた向かいの山からも木材を運んでいました。
谷の上に張られたワイヤーに木材を吊して運ぶ、索道(ロープウェー)が作られていたのです。

長さは1300メートル、当時は東洋一の索道と呼ばれていたそうです。
そこからさらに7キロも奥まで鉄道は続いていました。

よくぞこんな所に鉄道を引いたものだと、見ていてスケールの大きさにただただ驚かされました!