これの日です。
時間ある方は遊びに来てねー。
「せんせー、どう思います?」
「んっ?何が?」
「マナーの悪い大人ですよ!マナーの悪い大人!」
「…きっと何かあったんだね。具体的には?」
「いやー、昨日居酒屋でずーっと大声で騒いでる団体がいたんですよ。」
「ほう。で?」
「ずーっとギャーギャー騒いでるから、周りにいる他のお客さんが全然自分たちの話が出来なくて最悪でした。店員さんもなんどもその団体に注意してるのに全然聞こうとしないんですよ!」
「ほう。で?」
「ムカつかないですか?周りの人たちの迷惑かえりみずに自分たちだけ良ければいいと思ってるんですよ?」
「へー。その団体は周りのお客さん達に迷惑をかけてやろうって騒いでたの?」
「はっ?んなわけないでしょ。だったらマジ意味わかんないっすよ!じゃなくて、周りが見えてないんでしょ!周りが見えてないからギャーギャー騒いでられるんでしょ!周りの人に気遣いできない時点でマナー違反でしょ。」
「生徒くん、君も今、僕の迷惑をかえりみずにギャーギャー…」
「先生、それ以上言ったら首締めますよ。」
「…わかった、わかった。生徒くんは腹が立って仕方なかったんだね。」
「そうです。」
「じゃあその団体の人達は悪い人たちかな?」
「えっ?まぁ…そうですね。マナー守れない時点であやしいでしょうね。」
「そっか。その団体さん達にどんな事情があったとしても?」
「はっ?どういうことですか?」
「いやね、生徒くんは目の前で起きている現象の背景を考えたことがあるのかなぁと思って。」
「んっ?だからどういうことですか?」
「例えば、その団体さん達が実はある国の極秘プロジェクトに携わっていて、命がけで日本のために戦っていたとする。」
「はぁ…。アルマゲドン的な?」
「そうそう、アルマゲドン的な。で、そのプロジェクトが無事上手くいって全員がそのストレスから解放された日だったと。」
「だから騒いだと?」
「そうだね。極端だけど、そう。それでも生徒くんはマナー違反だと怒るかな?」
「うーん。日本のために命がけで頑張ったなら責めづらいですね。でもそんなこと絶対ありえないからムカついてるわけで…。」
「だね。でも、ホントのホントに絶対ありえないと言い切れる?アルマゲドン的なことじゃなくても、その団体にとっては重大なことが無事終わったからドンチャンしたのかもしれない。」
「ま、まぁ断定は出来ないですね。」
「でしょ。だからこそ、その時に起きた現象だけを見て、その人の全てだと思うようなことはしてほしくないな。」
「ムカつくけど、理屈はわかります…。」
「自分の立場に立って物事を見たら、いつだって自分が完璧に正しいんだ。相手ももちろん自分が正しいと思ってる。だから大事なのは正論じゃなくて、相手の立場に立って物事を考えることだね。」
「へーい。」