『65歳以上の方の、4人に1人が認知症もしくは認知症予備軍になっています。』
先日のセミナーで講師をしてくれた山本くんが言っていた。
※〈厚生労働省「認知症高齢者の現状」/平成22年〉参照
そして、認知症予防には、他者との関わり方が非常に重要であるとも教えてくれた。
ここでいう他者との関わりというのは、もちろんコミュニケーションのことだが、現在は顔と顔を合わせないで簡単にコミュニケーションを取れるようになってしまい、『相手の気持ちを汲み取りながら自分の気持ちを伝える』というストレスから避けることが簡単にできるようになってしまったように思う。
面と向かって言えないことも、SNSでなら平気で言えてしまったり、誰とでも簡単に繋がることができるようになった反面、嫌いな人をどんどん避けてしまっても、またすぐに新たなコミュニティーと出会うことができるので、本当に深く知り合えていない知り合いが増えてしまったりもする。
『ストレスから避けれるならいいんじゃないの?』
と思われるかもしれないが、ここが大きな勘違いなのである。
ストレスがかかりすぎるのは、もちろんいけない。
ただ、ストレスが全くないというのは、ストレスがかかりすぎるのと同じくらいに人体にとってはよくないと言われています。
例えば、宇宙飛行士。
宇宙ステーションに5ヶ月滞在していた古川聡氏は、地球に帰ってきて2日間は歩くことすらままならず、柔らかい椅子にも5分座るとお尻が痛くなるほどだったそうです。
そのような状態のため、もちろんベッドで寝るのすら大変だったということです。
そうです。
『重力』というストレスから5ヶ月間開放されていた体は、地球という場所で生活するだけの能力(歩く・普すわる・寝る)を失ってしまっていたのです。
逆に、現在100歳を超えても現役バリバリの聖路加病院理事長の日野原先生、
健康・長寿であるために、階段は一段飛び(エスカレーターを使わない)・速歩(人より早く歩く)を心がけているそうです。(他にもたくさん秘訣があるそうですが・・・)
つまり、ストレスを取り去るような生活を心がけるのではなく、ストレスと上手に向き合う・ストレスを活用し自身の成長や健康に活かすということが、重要なのです。
例えば、友達同士で一緒にいてもケータイやタブレット端末に目をやりながらの会話をしているというケースをよく目にするが、友達と一緒にいるときには極力ケータイやタブレット端末を出さずに会話をする。
家族全員で御飯を食べているときにはあえてテレビをつけずに食べてみる。
(家族の誰かが嫌がったら、どうしたら喜んで賛成してくれるようになるか考えてみる。)
このように、ストレスと向き合う時間やタイミングはいつでも簡単に作れるのです。
今は、24時間やっている店も増え、お腹が減ったらいつでもどこでも食欲を満たすことができる。
インターネットや動画サイトが増え、見たい番組をいつでもどこでも見れるようになった。
ストレスから目をそらすための手段がいくらでもある今だからこそ、ストレスと向き合い上手に活用し成長の起爆剤にするという能力が求めれらているのかもしれない。
それを忘れてしまって科学の進歩にばかり目を取られしまい、5ヶ月宇宙ステーションに滞在しただけで歩くことさえ出来なくなってしまうよう宇宙飛行士のように、いつの間にか本来持ち合わせている身体的な能力や心の強さなど、すべて失ってしまった!!なんてことにならないようにしたいですね。