104サイクルの秋十月も半ばを過ぎ、朝の空気は冷たく澄んでいる。店のガラス戸に映る朝陽は、まるで競輪のトラックのように鋭く光る。

 

 

 

 

104サイクルに、今年もまたあの若者たちがやってくる。来るべき131期競輪選手養成所試験を控えた受験生たちだ。彼らの目は、まるで凍てつく冬の風を切り裂き、灼熱の夏を走り抜けた刃のようだ。鋭く、静かで、どこか恐ろしいほどに澄んでいる。

 

 

 

 

彼らは一年前、この店に初めて足を踏み入れたときとは別人だ。あの頃の彼らは、夢と不安を両手に抱え、どこか頼りなげだった。だが今、目の前に立つ彼らは違う。日々の血のにじむような鍛錬が、彼らの身体を、意志を、まるで一本の槍のように研ぎ澄ましたのだ。合格という二文字だけを見据え、すべてを賭けてきた者たちの目だ。

 

私はその目を見るたび、胸の奥に熱いものが込み上げる。こんな若者たちを、ほんの少しでも支えられること。それは、私にとって誇りであり、喜びだ。「すべて俺に任せろ。最高の自転車を用意してやる」と、私は彼らに言う。声は大きく、だが心のどこかで、彼らの重い覚悟を前に畏れすら感じる。最高の機材を整えるのは私の仕事だ。手間はかかる。ハブの微妙な調整、ギアやオイルの選択、すべてに神経を尖らせる。

 

だが、この仕事は私を満たす。彼らがトラックで全力を尽くせるよう、私もまた全力を尽くす。それが私の務めだ。店の奥で工具を手にしながら、ふと思う。彼らの走りは、きっと美しいだろう。風を切り、汗にまみれながら、ただひたすらにゴールを目指す姿。

 

それは、まるでこの秋の清冽な空のように、一点の曇りもないものだろう。不安はない。走れ、思い切り走れ。そうすれば、結果はおのずとついてくる。私はそう信じている。

 

【104Cycle】

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